アルコール依存症治療における鍼灸療法：無作為化外来患者研究

著者: BerglundM, FrankA, KristensonH, Sapir-WeiseR

原題: Acupuncture in alcoholism treatment: a randomized out-patient study.

概要

アルコール依存症の患者72人を対象とした研究では、耳への鍼灸治療は、対照群と比較して、飲酒日数や渇望を有意に軽減しませんでした。しかし、鍼灸群の女性は、対照群の女性よりも、1か月後に不安が減少したと報告しました。この研究は、鍼灸は、アルコール依存症に限定的な効果しかない可能性がありますが、一部の女性では不安を軽減する可能性があることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

Seventy-two alcoholics were treated with acupuncture to the ear in a randomized single-blind controlled design over 10 weeks. Orthodox points and incorrect points 3-5 mm from orthodox points were used. No initial differences were found regarding social characteristics, the responses to the Swedish v...掲載元で要旨全文を確認する

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アルコール依存症治療における鍼治療：無作為化外来研究

72人のアルコール依存症患者を対象に、10週間の無作為化単盲検対照試験で、耳鍼治療を行いました。オーソドックスなツボと、オーソドックスなツボから3〜5mm離れた誤ったツボを使用しました。社会特性、アルコール使用インベントリの日本語版、3次元パーソナリティ質問票への回答に初期の差は認められず、成功した無作為化を示しています。鍼治療後、性差による反応の傾向が有意差に達しませんでした (P = 0.07)。治療群と対照群の飲酒日数や渇望レベルに差はありませんでした。女性では、治療群の患者のほうが、対照群の患者よりも、1か月後に不安の軽減を報告しました (P < 0.05)。鍼治療への反応は、パーソナリティや飲酒パターンとは関連していませんでした。患者の針の刺入に対する経験は、研究群と対照群で類似していました。鍼治療の効果は、以前報告されたものほど顕著ではありませんでした。

アルコール依存症治療における鍼治療の効果は限定的

本研究では、アルコール依存症治療における鍼治療の効果は限定的であることが示されました。鍼治療は、一部の患者において不安の軽減に効果がある可能性が示唆されましたが、飲酒日数や渇望レベルに有意な影響は認められませんでした。鍼治療の効果は、患者によって異なる可能性があるため、さらなる研究が必要です。

鍼治療の効果は個人差が大きい

鍼治療は、東洋医学に基づいた治療法です。鍼治療の効果は、個人差が大きいです。そのため、鍼治療を検討する場合は、医師に相談し、自分の状態に合った治療法を選択することが重要です。砂漠の旅では、ラクダの体力や体調によって、進むべき道を選びます。同様に、鍼治療を受ける場合も、自分の状態に合わせて、適切な治療を選択することが大切です。