躁うつ病に対する補助精神療法：治療法の変更による効果

著者: FrankE, KupferD J, MallingerA G, SwartzH A, ThaseM E, WeaverE V

原題: Adjunctive psychotherapy for bipolar disorder: effects of changing treatment modality.

概要

双極性障害の患者82人を対象とした研究では、病気の急性期と長期的なフェーズの両方で、同じ治療（対人および社会リズム療法[IPSRT]または集中的な臨床管理[CM]）を続けた人は、治療を切り替えた人と比較して、再発率が低く、症状も少なくなりました。これは、双極性障害において、より良い転帰を得るためには、一貫した精神社会的治療が重要である可能性があることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

In a randomized, controlled trial, the authors studied an adjunctive, individual psychotherapy, interpersonal and social rhythm therapy (IPSRT) for bipolar disorder. After stabilizing participants with episode appropriate pharmacotherapy and either IPSRT or intensive clinical management (CM), partic...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

双極性障害における薬物療法に付随する精神療法の効果: 治療法変更の影響

双極性障害の研究分野では、薬物療法に加えて、精神療法がどのような役割を果たすのかという課題に取り組んでいます。本研究は、双極性障害患者に対して、ランダム化比較試験を用いて、薬物療法に加え、対人および社会的リズム療法 (IPSRT) という個人療法の効果を検討しました。まず、患者さんを適切な薬物療法と IPSRT または集中的臨床管理 (CM) のいずれかで安定させ、その後、予防的治療として 2 年間、IPSRT または CM を薬物療法と組み合わせて再び割り当てました。初期の結果 (n = 82) は、予防的治療段階への移行時に患者の治療割り当てを変更することが再発リスクに関連していることを示唆しています。急性期と予防的治療の両方で同じ治療を継続した患者は、別の治療法に再割り当てされた患者に比べて、再発率が低く (20% 未満対 40% 超)、その後の 52 週間における症状レベルが低いことがわかりました。この知見は、双極性障害患者は安定したルーチンから恩恵を受けるとする著者の考え方と一致しており、精神社会的な治療計画の混乱がより悪い結果に寄与することを示唆しています。

治療法変更は双極性障害の再発リスクを高める可能性がある

研究結果から、双極性障害の患者さんは、安定した治療計画を継続することで、再発のリスクを抑え、症状の悪化を防ぐことができるということが示唆されました。特に、急性期と予防的治療の両方で同じ治療を継続した患者は、再発率が 20% 未満と低く抑えられていた点は注目すべきです。これは、治療法の変更が、患者さんの精神状態を不安定化させる可能性を示唆しており、双極性障害の治療においては、患者さんの状態に合わせて、安定した治療計画を維持することが重要であると考えられます。

双極性障害の治療における安定した治療計画の重要性

双極性障害は、気分の高揚と落ち込みを繰り返す精神疾患です。治療には薬物療法と精神療法の両方が重要ですが、本研究は、安定した治療計画を維持することの重要性を示唆しています。患者さんは、自分の状態に合わせて、適切な治療法を選び、継続することが大切です。また、医師や精神科医と連携し、定期的な診察を受けることも重要です。

ラクダ博士の結論

双極性障害は、砂漠の蜃気楼のように、幻のように現れては消える不安定な精神状態に例えられます。本研究は、双極性障害の治療において、安定した治療計画が、砂漠のオアシスのように、患者さんの精神状態を安定させ、再発を防ぐために非常に重要であることを示唆しています。治療法の変更は、砂漠の嵐のように、患者さんの精神状態を不安定化させてしまう可能性があるため、医師や精神科医と連携し、適切な治療計画を立て、継続することが大切です。