経口フェロジピンが眼循環に与える影響

著者: DupontJ, GrunwaldJ E, SchocketL S

原題: Effect of oral felodipine on ocular circulation.

概要

カルシウムチャネルブロッカーであるフェロジピンは、健康なボランティアにおいて、網膜、視神経乳頭、または黄斑中心窩の脈絡膜血流に有意な影響を与えなかった。この研究には、フェロジピンまたはプラセボを二重盲検、無作為化、クロスオーバーデザインで受けた10人のボランティアが参加した。このことは、フェロジピンが緑内障患者における全身性高血圧の安全な治療選択肢となる可能性があることを示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

PURPOSE: To evaluate the effects of felodipine, a calcium channel blocker, on ocular circulation. METHODS: In a double blind, randomized, crossover design, 10 volunteers received placebo or felodipine on 2 separate days. Bidirectional laser Doppler velocimetry (BLDV), laser Doppler flowmetry (LDF),...掲載元で要旨全文を確認する

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経口フェロジピンが眼循環に与える影響

眼科という広大な砂漠の中で、緑内障などの眼疾患は、多くの患者を悩ませるオアシスのような存在です。本研究は、カルシウムチャネル遮断薬であるフェロジピンが眼循環にどのような影響を与えるのかを調査しました。研究者は、10人のボランティアを対象に、プラセボまたはフェロジピンを2日間投与する二重盲検ランダムクロスオーバーデザインを行いました。網膜、脈絡膜、視神経乳頭の循環パラメータを評価するために、双方向レーザードップラー血流計 (BLDV)、レーザードップラー血流計 (LDF)、単色眼底カメラ (MFP) を使用しました。測定は、投与前、投与後1.5時間、3時間に行いました。血圧、眼圧 (IOP)、心拍数もモニタリングし、灌流圧 (PP) を計算しました。

フェロジピンは眼循環に影響を与えない

フェロジピン投与後1.5時間では、プラセボと比較して、収縮期血圧 (BPd) (p = 0.001)、平均血圧 (BPm) (p = 0.003)、灌流圧 (PP) (p = 0.003) が有意に低下しました。プラセボ投与後には有意な差は観察されませんでした。網膜、脈絡膜、視神経乳頭の循環パラメータは、プラセボまたはフェロジピン投与後も有意な変化を示しませんでした。フェロジピン投与後3時間では、BPdと視神経速度 (ONve1) の間に有意な正の相関関係が観察されました (R = +0.654; p = 0.040)。対照的に、プラセボ投与後には、BPdとONve1の間に有意な相関関係は観察されませんでした (R = +0.198; p = 0.583)。

緑内障患者におけるフェロジピン：可能性と課題

フェロジピンは眼循環に影響を与えず、緑内障患者の血圧管理に役立つ可能性があります。しかし、この研究は、緑内障患者におけるフェロジピンの効果を直接評価したものではないため、さらなる研究が必要です。

ラクダ博士の結論

フェロジピンは、眼循環に影響を与えないことが示唆されました。緑内障患者の血圧管理において、フェロジピンは有用な選択肢となりえるかもしれません。しかし、この研究は小規模なものであり、緑内障患者における効果を直接評価したものではないため、さらなる研究が必要です。ラクダ博士は、砂漠の奥深くにある緑内障の治療法発見に向けて、研究者たちの努力を応援しています。