強迫性障害の集団治療における、認知療法と行動療法の比較

著者: AndersonK W, KochW J, McLeanP D, PatersonR, SöchtingI, TaylorS, ThordarsonD S, WhittalM L

原題: Cognitive versus behavior therapy in the group treatment of obsessive-compulsive disorder.

概要

本研究は、強迫性障害（OCD）の治療に、認知行動療法（CBT）と曝露と反応予防（ERP）を比較した。どちらの治療法も、無治療と比較して、より効果的であった。ERPは、治療終了時と3か月後、CBTよりもわずかに効果が高かった。どちらの治療法も、信念の改善に似たような結果をもたらし、本研究は、治療の種類によって、治療を提供するのに最適な形式が異なる可能性があることを示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

This study examined the effects of cognitive-behavior therapy (CBT) compared with traditional behavior therapy (exposure and response prevention [ERP]) in the group treatment of obsessive-compulsive disorder. Of the 76 participants who started treatment, 38 were wait-listed for 3 months before treat...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

強迫性障害の集団治療における認知療法と行動療法の効果比較

強迫性障害（OCD）は、日常生活に支障をきたすほどの強い不安や恐怖に駆られる精神疾患です。認知行動療法（CBT）は、OCDの治療に効果的な方法の一つとして知られています。この研究は、CBTと従来の行動療法（暴露反応阻止法：ERP）の、OCDの集団治療における効果を比較することを目的としています。

研究は、OCDの患者を対象としたランダム化比較試験です。研究の結果、CBTとERPの両方が、症状の軽減に効果を示しました。ERPはCBTよりも、治療終了時および3か月後のフォローアップにおいて、症状の改善が見られました。しかし、臨床的に有意な改善の割合は、治療終了時には両治療法で同等でしたが、3か月後のフォローアップでは、ERP群の方が有意に高くなりました。この研究は、ERPはCBTよりも、OCDの集団治療において、より効果的である可能性を示唆しています。

ERPの有効性

この研究は、ERPはCBTよりも、OCDの集団治療において、より効果的である可能性を示唆しています。ERPは、患者に恐怖の対象に繰り返し触れさせ、恐怖反応を抑制させることを目的とした治療法です。ERPは、CBTよりも、症状の改善効果が大きく、より持続的な効果が期待できることが示されました。

健康への影響と生活への応用

OCDは、日常生活に大きな支障をきたす疾患です。適切な治療を受けることが、患者さんのQOL（生活の質）を向上させるために重要です。OCDの症状を疑う場合は、専門医に相談し、適切な診断と治療を受けてください。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、この研究は、OCDの治療において、ERPがCBTよりも、より効果的である可能性を示す興味深い研究だと考えています。ERPは、患者さんの恐怖反応を抑制させる効果が高く、症状の改善効果が期待できる一方で、CBTは、患者さんの思考パターンを変えることで、症状の改善を図る治療法です。ラクダ博士は、OCDの患者さんは、専門医と相談して、自分の症状に合った適切な治療法を選択することが大切だと考えています。