ヒト角膜上皮における、シプロフロキサシンの微小沈殿物と巨視的沈殿物

著者: EifermanR A, NordquistR E, SnyderJ P

原題: Ciprofloxacin microprecipitates and macroprecipitates in the human corneal epithelium.

概要

この研究では、手術前にシプロフロキサシン点眼薬で治療した角膜移植患者における、シプロフロキサシン微小沈殿物および巨視的沈殿物の発生について報告しています。沈殿物は純粋なシプロフロキサシンであり、invitroで生物活性があることがわかりました。

論文詳細　

原文の要約 :

In 4 corneal transplantation patients treated preoperatively with ciprofloxacin ophthalmic drops, microprecipitates associated with damaged corneal epithelium were noted in 2 patients. Another patient developed a large macroprecipitate in a corneal ulcer. All specimens were examined by electron micr...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ヒト角膜上皮におけるシプロフロキサシン微小沈着と巨視的沈着

角膜移植術において、感染症の予防は、砂漠の旅における水分の確保のように重要です。本研究は、シプロフロキサシン点眼薬を術前に使用した4人の角膜移植患者において、角膜上皮に関連する微小沈着が観察されたことを報告しています。さらに、1人の患者では、角膜潰瘍に大きな巨視的沈着が生じました。これらの沈着は、電子顕微鏡と高圧液体クロマトグラフィーを用いて、純粋なシプロフロキサシンであることが確認されました。巨視的沈着は、感受性のある生物を播種した寒天培地上で、24時間と48時間後に大きな阻害領域を示し、in vitroでは生物活性と生物学的利用能がありました。

シプロフロキサシン点眼薬は、角膜上皮に沈着する可能性がある

今回の研究では、シプロフロキサシン点眼薬が、角膜上皮に沈着し、感染症の予防効果に影響を及ぼす可能性が示唆されました。特に、角膜潰瘍などの病変がある場合は、注意が必要です。シプロフロキサシンは、細菌感染症の治療薬として広く使用されていますが、角膜上皮への沈着は、新たな課題として認識されています。

角膜移植を受ける患者は、シプロフロキサシン点眼薬の使用について医師に相談することが重要

角膜移植を受ける患者は、シプロフロキサシン点眼薬の使用について、医師に相談することが重要です。医師は、患者の状態やリスクを評価し、適切な治療方法を選択することができます。角膜移植は、視力を回復するための重要な治療法ですが、感染症のリスクを理解し、適切な予防策を講じることが重要です。

ラクダ博士の結論

砂漠の旅では、様々な障害に遭遇します。角膜移植手術も、視力を回復するための重要な手術ですが、感染症などのリスクを伴います。今回の研究は、シプロフロキサシン点眼薬が、角膜上皮に沈着し、感染症の予防効果に影響を及ぼす可能性を示唆しています。角膜移植を受ける患者は、医師とよく相談し、安全な手術と回復を目指しましょう。