副鼻腔炎の治療における、フルチカゾン鼻腔内スプレーの有無にかかわらず、セフロキシムの比較。CAFFS試験：無作為化比較試験

著者: , CaliffR M, DolorR J, HellkampA S, SimelD L, WilliamsJ W, WitsellD L

原題: Comparison of cefuroxime with or without intranasal fluticasone for the treatment of rhinosinusitis. The CAFFS Trial: a randomized controlled trial.

概要

抗生物質療法に鼻腔内フルチカゾンを併用すると、慢性鼻炎または反復性副鼻腔炎の既往歴があり、急性副鼻腔炎を発症した患者の臨床的成功率が向上し、回復が早まった。

論文詳細　

原文の要約 :

CONTEXT: It is not known whether intranasal corticosteroids are beneficial to treat acute rhinosinusitis in patients with a history of chronic or recurrent sinus symptoms. OBJECTIVE: To assess whether the addition of an intranasal corticosteroid to antibiotic therapy affects the speed and rate of r...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

鼻腔内ステロイドは副鼻腔炎に効果あり？

副鼻腔炎の治療には、抗生物質が使われますが、鼻腔内ステロイドの併用が有効なのかはわかっていませんでした。この研究は、慢性的な副鼻腔炎や再発性の鼻炎の既往歴を持つ患者を対象に、抗生物質と鼻腔内ステロイドを併用した場合の効果を調査しました。結果として、鼻腔内ステロイドを併用した群では、プラセボ群と比べて、有意に治癒率が高く、回復が早かったことが明らかになりました。

鼻腔内ステロイドは副鼻腔炎の治療に有効

この研究では、鼻腔内ステロイドであるフルチカゾンを併用した群では、プラセボ群と比べて、有意に治癒率が高く、回復が早かったことが明らかになりました。具体的には、フルチカゾン群の治癒率は93.5％、プラセボ群の治癒率は73.9％で、統計的に有意な差が見られました。また、フルチカゾン群では、プラセボ群と比べて、治癒までの時間が有意に短く、中央値で6.0日と9.5日の差がありました。

鼻腔内ステロイドは慢性的な副鼻腔炎に効果的

鼻腔内ステロイドは、副鼻腔炎の症状を改善し、回復を早める可能性があることが示されました。慢性的な副鼻腔炎に悩んでいる方は、医師に相談して、鼻腔内ステロイドの使用を検討してみてはいかがでしょうか。ただし、鼻腔内ステロイドは副作用のリスクも伴うため、医師の指示に従って使用することが大切です。

ラクダ博士の結論

砂漠のような乾燥した鼻の奥に、しつこい副鼻腔炎の砂嵐が吹き荒れているような状態を想像してみてください。そこに、フルチカゾンという名のオアシスが現れ、砂嵐を鎮め、快適な呼吸を取り戻させてくれるイメージです。この研究は、鼻腔内ステロイドが、副鼻腔炎の治療において、まさにオアシスのような役割を果たす可能性を示唆しています。ただし、どんなオアシスにも限られた水量があるように、フルチカゾンの使用は医師の指示に従って行う必要があります。