論文詳細 
原文の要約 :
The intrathecal administration of morphine has been the standard therapy to control long-term intractable pain. Recently, a panel of pain therapy experts suggested that because of the lack of efficacy or because of the side effects produced by morphine in some patients, other drugs, such as hydromor...掲載元で要旨全文を確認する
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引用元:
https://doi.org/10.1097/00000539-200206000-00031

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

脊髄オピオイド受容体の役割

モルヒネの髄腔内投与は、長期にわたる難治性疼痛の治療において標準的な治療法となっています。しかし、一部の患者ではモルヒネの有効性が低い、または副作用が強いことから、近年ではヒドロモルフォンやブプレノルフィンなどの他の薬物が鎮痛効果について研究されています。本研究では、雄性Sprague-Dawleyラットにおいて、髄腔内ヒドロモルフォンとブプレノルフィンの熱痛覚抑制効果を比較し、ヒドロモルフォンとブプレノルフィンがμ型、δ型、κ型の脊髄オピオイド受容体に結合してアゴニストとして作用するかどうかを調べました。

ブプレノルフィン、ヒドロモルフォンより優勢?

研究の結果、髄腔内投与されたヒドロモルフォンとブプレノルフィンは、ラットの尾部フリッカー反応潜時を用量依存的に、時間依存的に増加させました。ブプレノルフィンとヒドロモルフォンの鎮痛効果の50%有効用量は、それぞれ4nmol/L、69.5nmol/Lでした。両薬物は、[(3)H]-DAMGOを脊髄オピオイド受容体から置換する能力と、オピオイド受容体拮抗薬であるナロキソンが鎮痛効果を逆転させる能力から、μ型オピオイド受容体のアゴニストとして作用することが確認されました。ブプレノルフィンは、κ型オピオイド受容体にもアゴニスト効果を示しました。本研究では、髄腔内ブプレノルフィンがヒドロモルフィンよりも約17倍有効に熱痛を抑制し、ブプレノルフィンはμ型とκ型の脊髄オピオイド受容体の両方でアゴニストとして作用することで鎮痛効果を発揮することを初めて報告しました。

鎮痛剤の新たな可能性

砂漠の厳しい環境下では、ラクダは厳しい暑さや痛みにも耐え忍ぶことができます。この研究では、ブプレノルフィンがヒドロモルフィンよりも優れた鎮痛効果を発揮することが明らかになりました。ブプレノルフィンは、様々な痛みを和らげる可能性を秘めているため、今後の臨床研究で、より効果的な鎮痛剤として活用されることが期待されます。

ラクダ博士の結論

ブプレノルフィンは、μ型とκ型の脊髄オピオイド受容体に作用することで、ヒドロモルフィンよりも優れた鎮痛効果を発揮する可能性があります。この研究結果は、新たな鎮痛剤の開発に繋がる可能性を秘めていると言えるでしょう。

日付 :
  1. 登録日 2002-06-19
  2. 改訂日 2019-07-04
詳細情報 :

Pubmed ID

12032023

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.1097/00000539-200206000-00031

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