関節リウマチの治療のための治療用超音波

著者: BrosseauL, CasimiroL, JuddM, MilneS, RobinsonV, SheaB, TugwellP, WellG

原題: Therapeutic ultrasound for the treatment of rheumatoid arthritis.

概要

超音波単独で手に行うと、握力の増加、およびより限定的ではあるが、手首背屈の増加、朝のこわばりの減少、腫脹関節数の減少、疼痛関節数の減少を促す。しかし、これらの結論は、試験の質の低さ、臨床試験数の少なさ、対象とした研究のサンプルサイズが小さいなど、方法論的な考慮事項によって制限されている。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Ultrasound is often used, by rehabilitation specialists, as an adjunct therapy for the symptomatic treatment of rheumatoid arthritis (RA). Its mechanical energy has antiinflammatory as well as analgesic properties. OBJECTIVES: To evaluate the effects of ultrasound on objective and subje...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

超音波治療と関節リウマチ

関節リウマチの治療における超音波の有効性を探求する研究です。超音波は、リハビリテーション専門医によって、関節リウマチの症状を緩和するための補助療法として頻繁に使用されています。超音波の機械的エネルギーは、抗炎症作用と鎮痛作用を有しています。

超音波治療は関節リウマチの症状改善に役立つのか？

この研究では、2つの研究（参加者80名）が、超音波が関節リウマチ患者の客観的および主観的疾患活動性の尺度に対してどのような影響を与えるかを評価しました。その結果、手のひらと手の甲に超音波を照射すると、コントロール群と比較して握力が有意に増加することがわかりました。さらに、手のひらと手の甲に超音波を照射すると、手首の背屈、朝のこわばりの持続時間、腫脹関節の数、疼痛関節の数といったアウトカム尺度にも有益な効果が見られました。しかし、超音波と運動療法、ファラデー電流、ワックス浴を組み合わせた治療の効果については、有意な差は見られませんでした。

超音波治療は関節リウマチ患者にとって選択肢となりえるか？

この研究では、超音波は運動療法、ファラデー電流、ワックス浴などの他の治療法と組み合わせて使用することは推奨されないと結論付けられています。ただし、超音波を単独で使用した場合、握力の増加、手首の背屈の増加（ただし、境界線上の結果）、朝のこわばりの軽減、腫脹関節数の減少、疼痛関節数の減少といった効果が認められました。しかし、この結論は、試験の質の低さ、臨床試験数の少なさ、含まれた研究のサンプルサイズの小ささといった方法論上の問題点によって制限されていることを考慮することが重要です。

ラクダ博士の結論

超音波は、砂漠の厳しい環境で生き抜くラクダのように、関節リウマチの症状を緩和するための頼もしいツールとなりえるかもしれません。しかし、この研究では、超音波治療の効果を完全に解き明かすにはさらなる研究が必要であるという結論に達しています。超音波治療は、関節リウマチの症状を改善する可能性を秘めていますが、効果を最大限に引き出すためには、適切な治療法を選択し、医師とよく相談することが大切です。