トリアムテレンの作用機序について：Na+、K+、およびH+/HCO3-イオンの輸送への影響.

著者: AlbiezG, KnaufH, LübckeR, WaisU

原題: On the mechanism of action of triamterene: effects on transport of Na+, K+, and H+/HCO3- -ions.

概要

トリアムテレンはラットの唾液腺管上皮におけるナトリウムの再吸収を主に阻害し、カリウムの分泌減少と管腔内重炭酸塩の蓄積増加をもたらす。

論文詳細　

原文の要約 :

The rat salivary duct epithelium, which actively transports Na+, K+, and H+/HCO3- in a manner similar to renal distal tubules, was used as a model tissue to study the mechanism of action of triamterene on electrolyte transport. 10(-4) M triamterene completely blocked Na+ resorption and lowered net K...掲載元で要旨全文を確認する

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トリアムテレンの作用機序：Na+、K+、およびH+/HCO3-イオンの輸送への影響

トリアムテレンが電解質輸送に与える影響を調べるモデル組織として、腎臓の遠位尿細管と同様にNa+、K+、およびH+/HCO3-を能動的に輸送するラットの唾液腺管上皮を用いた研究です。10(-4)MのトリアムテレンはNa+の再吸収を完全に阻害し、K+の分泌を対照群の半分にまで低下させました。一方、HCO3-は管腔に蓄積し、これはH+の分泌が減少したためと考えられます。トリアムテレン存在下でのK+およびH+/HCO3-の輸送速度は、管腔液からNa+を除去した後に測定された速度とは異なりませんでした。これは、トリアムテレンがK+およびH+/HCO3-の輸送に直接作用しないという証拠と考えられました。トリアムテレンは、上皮間電気的電位差を迅速かつ可逆的に減少させました。これは、10(-4)Mのトリアムテレンで管腔膜のNa+コンダクタンスがほぼ完全に消失したためであり、K+コンダクタンスは変化しませんでした。トリアムテレンは、単離された管上皮の組織間側からin vitroで投与した場合、最高濃度でも効果がありませんでした。Na-K-ATPase、Mg-ATPase、およびミクロソームHCO3-ATPaseの活性は、10(-4)Mのトリアムテレンによって類似した様式で影響を受けました。これらの効果は、単離された管の調製物における無傷の細胞ではなく、管組織のホモジネートでのみ明確に示されました。そのため、これらの効果は非特異的であると考えられました。研究された輸送は、トリアムテレンが管腔から細胞へのNa+の流入に一次的に作用することを示しています。K+およびH+/HCO3-の輸送への影響は、Na+の移動とK+およびH+の管腔細胞膜を横切る移動の機能的結合による二次的な結果です。

トリアムテレンは細胞内のNa+輸送に影響を与える、それは細胞膜を介してのK+およびH+の輸送に影響を与える

トリアムテレンがNa+の細胞への流入を阻害することで、K+およびH+の輸送に間接的な影響を与えることが示唆されています。トリアムテレンは、まるで砂漠のオアシスに水が流れ込むのを阻害するような役割を果たしているのかもしれません。オアシスの水が流れ込まなければ、周囲の植物は枯れてしまい、他の生物も生き延びることができません。トリアムテレンは、Na+の細胞への流入を阻害することで、K+およびH+の輸送を阻害し、細胞の機能を妨げていると言えるでしょう。

トリアムテレンは腎臓や唾液腺などの電解質輸送に関わる組織に影響を与える可能性があります

トリアムテレンは、腎臓や唾液腺など、Na+、K+、およびH+/HCO3-の輸送に関わる組織に影響を与える可能性があります。これらの組織は、体内の電解質バランスを維持するために重要な役割を果たしています。トリアムテレンがこれらの組織の機能に影響を与える可能性は、健康に重大な影響を与える可能性があります。