うつ病介入は、身体的症状を示す患者の転帰を改善しますか？.

著者: KeeleyRobert D, Miriam DickinsonL, NuttingPaul A, Perry DickinsonW, RostKathryn M, SmithJeffrey L

原題: Does a depression intervention result in improved outcomes for patients presenting with physical symptoms?

概要

この研究は、一次診療におけるうつ病の身体的症状のみの提示が、うつ病の管理と転帰に与える影響を調べた。この研究では、身体的症状を呈した患者は、心理的症状を呈した患者よりもうつ病の適切な治療を受ける可能性が低いことがわかった。管理を改善するための介入は、心理的症状を呈した患者の方が効果的であった。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: To investigate the effects of exclusively physical presentation of depression on 1). depression management and outcomes under usual care conditions, and 2). the impact of an intervention to improve management and outcomes. DESIGN AND SETTING: Secondary analysis of a depression interventi...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

身体症状を呈する患者に対するうつ病介入の効果

うつ病の治療において、身体症状のみを呈する患者に対する介入が有効かどうかを検証した研究です。この研究は、12の地域ベースのプライマリケア診療所におけるうつ病介入試験の二次分析に基づいています。うつ病を抱えている200人の成人を対象に、身体症状のみを呈する患者と心理的症状を呈する患者を比較し、それぞれのグループに対する介入の効果を評価しました。

身体症状のみを呈する患者への介入は効果的？

この研究では、うつ病患者の66％が身体症状のみを呈していました。通常ケアにおいて、心理的症状を呈する患者は、身体症状のみを呈する患者よりも、十分な抗うつ薬治療を完了する可能性が高かったものの、うつ病の重症度と役割機能の改善においては同等の改善が見られました。身体症状のみを呈する患者においては、介入によって医師の質問率（40.8％対18.0％、P = .06）、抗うつ薬の投与率（63.0％対20.1％、P = .001）、十分な抗うつ薬治療の完了率（34.9％対5.9％、P = .004）が有意に改善したものの、うつ病の重症度や役割機能は有意に改善しませんでした。心理的症状を呈する患者においては、介入によって抗うつ薬の投与率（79.9％対38.0％、P = .01）、十分な抗うつ薬治療の完了率（46.0％対23.8％、P = 004）が有意に改善し、うつ病の重症度、身体的役割機能、感情的役割機能も改善しました。

身体症状のみを呈するうつ病患者への対応

この研究では、うつ病患者の初期症状が身体症状のみの場合、心理的症状を呈する患者とは異なる介入効果があることが示されました。これは、身体症状のみを呈する患者に対しては、既存の介入だけでは十分ではない可能性を示唆しています。そのため、身体症状のみを呈する患者に対しては、新たなアプローチを開発する必要があるかもしれません。

ラクダ博士の結論

うつ病は、身体症状のみを呈する患者も少なくありません。この研究では、身体症状のみを呈する患者に対しては、既存の介入だけでは十分な効果が得られない可能性が示されました。そのため、身体症状のみを呈する患者に対しては、新たなアプローチを開発する必要があるかもしれません。ラクダ博士も、この分野の研究に期待しています！