インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州における皮膚スポロトリックス症

著者: GargG, GuptaM L, KangaA K, MahajanV K, SharmaN L, SharmaR C

原題: Cutaneous sporotrichosis in Himachal Pradesh, India.

概要

本研究は、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州における皮膚スポロトリコーシスの臨床的特徴と治療法を調べました。ヨウ化カリウムは、大多数の患者の治療に有効でした。

論文詳細　

原文の要約 :

During the period 1990-2002 in Himachal Pradesh, India, 103 new patients with cutaneous sporotrichosis were detected. Lymphocutaneous and fixed cutaneous varieties were the most common and seen in 49% and 43% respectively. Chronic non-specific inflammation without granuloma formation was seen in 46%...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

インドにおける皮膚スポロトリコシスの実態

インドのヒマーチャル・プラデーシュ州における皮膚スポロトリコシスの実態を調査した研究が報告されています。皮膚スポロトリコシスは、真菌であるスポロトリクス・シェンキイによる感染症で、主に皮膚に症状が現れます。本研究では、1990年から2002年までの13年間で、新たに103人の皮膚スポロトリコシス患者が確認されました。最も一般的な症状は、リンパ管皮膚型と固定皮膚型で、それぞれ患者の49%と43%にみられました。皮膚生検の結果、46%の患者では肉芽腫形成を伴わない慢性非特異的炎症、29%では急性または慢性炎症、25%では結核様肉芽腫形成が観察されました。また、32%の患者ではサブーローグルコース寒天培地でスポロトリクス・シェンキイの増殖が確認されました。

皮膚スポロトリコシスの治療

皮膚スポロトリコシスの治療には、ヨウ化カリウム飽和溶液が第一選択薬として使用されました。患者の93%で、4～32週間（平均8.7週間）の治療により、症状が改善し、有意な副作用はみられませんでした。また、12人の患者にはイトラコナゾールが使用され、有効性が確認されました。さらに、1人の患者には従来よりも高用量のフルコナゾールが使用され、迅速な治癒が観察されました。ただし、ヨウ化カリウム飽和溶液では、病変の炎症が悪化する例もみられました。

皮膚の健康

皮膚は、私たちの体を守る重要なバリアです。皮膚に異常がみられた場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

ラクダ博士の結論

砂漠のラクダは、厳しい環境の中でもたくましく生き抜く生き物です。ですが、ラクダも皮膚病にかかることがあります。今回の研究は、インドにおける皮膚スポロトリコシスの実態を明らかにしており、皮膚の健康を維持するためには、清潔な環境を保ち、適切な衛生管理を行うことが大切であることを改めて認識させられました。