血液透析患者における、リン酸結合剤としての酢酸カルシウムと炭酸カルシウムの比較

著者: ArrobasM, CaravacaF, CuberoJ J, EsparragoJ F, PizarroJ L, RoblesR, Sanchez-CasadoE, SantosI

原題: Calcium acetate versus calcium carbonate as phosphate binders in hemodialysis patients.

概要

80人の血液透析患者を対象とした研究では、リンレベルの管理のために酢酸カルシウム（CA）と炭酸カルシウム（CC）を比較しました。両方の治療法はリンレベルを効果的に管理しましたが、CAはより多くの患者（CCの7対2）で耐容性が不良でした。CCは、カルシウムレベルを上昇させる上でより効果的でした。副甲状腺ホルモンまたは重炭酸塩レベルの管理には差はありませんでした。この研究は、CCは血液透析患者のリンレベルの管理のためのより効果的で耐容性の良い治療選択肢となり得ることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

We conducted a randomized unblinded parallel clinical trial to compare the effectiveness, side effects and tolerance between calcium acetate (CA) and calcium carbonate (CC) in 80 stable chronic hemodialysis patients selected on the basis of their acceptable control of serum phosphorus (P) levels wit...掲載元で要旨全文を確認する

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血液透析患者におけるリン酸結合剤としてのカルシウム酢酸塩と炭酸カルシウムの比較

血液透析患者さんの場合、リン酸の血中濃度が上昇しやすく、その結果、心臓病や骨粗鬆症などの合併症のリスクが高まります。そこで、リン酸の血中濃度を下げるために、リン酸結合剤が用いられます。本研究では、リン酸結合剤として、カルシウム酢酸塩（CA）と炭酸カルシウム（CC）の有効性と副作用を比較しました。

カルシウム酢酸塩と炭酸カルシウムの有効性と副作用

この研究では、安定した慢性血液透析患者さんを対象に、CA群とCC群に分け、リン酸の血中濃度を比較しました。その結果、CA群では、CC群に比べて、リン酸の血中濃度がわずかに低下しました。また、CA群では、CC群に比べて、カルシウムの血中濃度がほとんど変化しませんでした。一方、CC群では、カルシウムの血中濃度が有意に上昇しました。これらの結果から、CAは、CCに比べて、リン酸の血中濃度を効果的に下げることができ、カルシウムの血中濃度の上昇も抑制できる可能性が示唆されました。

リン酸結合剤の選択

血液透析患者さんのリン酸結合剤としては、CAとCCのいずれかを選択する必要があります。CAは、CCに比べて、リン酸の血中濃度を効果的に下げることができ、カルシウムの血中濃度の上昇も抑制できる可能性が示唆されました。しかし、CAは、CCに比べて、消化器症状などの副作用が出やすい傾向があります。リン酸結合剤を選択する際には、患者さんの状態や副作用のリスクなどを考慮して、医師と相談して、適切な薬剤を選択することが重要です。