[早産時の急性肺水腫：ニカルジピンによる子宮収縮抑制の役割（3例）]

著者: ApfelbaumD, BoccaraF, CarbonneB, CohenA, JanowerS, LejeuneV

原題: [Acute pulmonary edema during preterm labor: role of nicardipine tocolysis (three cases)].

概要

この報告書は、早産時のカルシウムチャネルブロッカーであるニカルジピン静脈内投与に関連する肺水腫の症例を3例報告しています。著者は、早産時にカルシウムチャネルブロッカーとベータ作動薬を併用することは避けるべきであり、ニカルジピンは電気シリンジで調整された用量で投与して、注入量を減らすことを推奨しています。

論文詳細　

原文の要約 :

Beta adrenergic agonists are still used as first line treatment for preterm labor in many institutions, but their side effects lead to use alternative tocolytic drugs such as calcium channel blockers. We report three cases of pulmonary edema during preterm labor associated with the use of calcium ch...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

早産時のニカルジピンによる子宮収縮抑制と肺水腫

多くの医療機関では、早産時の第一選択治療としてβ遮断薬が用いられていますが、その副作用から、カルシウムチャネル遮断薬などの代替薬が使用されています。本研究では、フランスで子宮収縮抑制に広く使用されているカルシウムチャネル遮断薬、静脈内ニカルジピン投与に関連して早産時に発生した3例の肺水腫について報告しています。

ニカルジピンと肺水腫の関係

本研究では、早産時にニカルジピンを投与した3人の患者で肺水腫が発生しました。これは、妊娠による体液貯留、カルシウムチャネル遮断薬の有害な血行動態への影響、カルシウムチャネル遮断薬とβ遮断薬の併用、生理食塩液やグルココルチコイドの併用が原因と考えられています。ニカルジピンを投与する場合は、適量を電気シリンジで投与し、輸液量を減らすことが推奨されます。

早産とニカルジピン投与に関する注意

早産は、母親と子供にとって大きなリスクを伴うものです。ニカルジピンは、早産を予防する効果がある一方で、肺水腫などの副作用を引き起こす可能性があります。ニカルジピンを投与する際には、リスクとベネフィットを十分に考慮し、医師の指示に従うことが重要です。ラクダ博士も、早産で苦しむ母親と子供たちの健康を願っています。