術中痛の管理のためのガバペンチンの使用 - メタ分析

著者: LiC Cf, PengP W, WijeysunderaD N

原題: Use of gabapentin for perioperative pain control -- a meta-analysis.

概要

ガバペンチンは、手術後の患者において、オピオイドの使用量を35％減らし、痛みスコアを低下させましたが、めまいと鎮静作用を増加させました。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Gabapentin, an anticonvulsant, has recently been suggested as an effective postoperative 'analgesic' agent. The objective of the present study was to examine the analgesic effectiveness, opioid-sparing effects and side effects associated with the use of gabapentin in a perioperative sett...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

術後疼痛管理におけるガバペンチンの使用 - メタ分析

ガバペンチンは、抗てんかん薬ですが、近年、術後の疼痛管理に効果的な薬剤として注目されています。本研究では、ガバペンチンが術後疼痛管理において、鎮痛効果、オピオイドの節約効果、副作用にどのような影響を与えるかを検討しました。

ガバペンチンは術後疼痛の軽減に有効

メタ分析の結果、ガバペンチンは、手術後24時間におけるオピオイドの総消費量を35％削減し（平均値比0.65、95％CI 0.59～0.72）、安静時（手術後24時間以内）および運動時の術後疼痛を有意に軽減しました（運動時：2時間、4時間、12時間）。また、嘔吐（相対リスク[RR] 0.73、95％CI 0.56～0.95）とそう痒症（RR 0.30、95％CI 0.13～0.70）の発生を抑制しました。しかし、めまい（RR 1.40、95％CI 1.06～1.84）の発生率を高め、鎮静効果の上昇も認められました（RR 1.65、95％CI 1.00～2.74）。

ガバペンチンは術後疼痛管理における新たな選択肢

ガバペンチンは、術後疼痛を軽減し、オピオイドの使用量を減らす効果がある一方、めまいなどの副作用も認められました。そのため、ガバペンチンを術後疼痛管理に用いる際には、これらの副作用に注意が必要です。

ラクダ博士の結論

ガバペンチンは、術後疼痛管理において、オピオイドの節約効果と鎮痛効果を期待できる薬剤として注目されています。まるで、砂漠のラクダが、厳しい環境の中でも、体力を維持するために、様々な方法で体を保護するように、ガバペンチンは、手術後の痛みから患者さんを解放する力となるでしょう。しかし、副作用も存在するため、医師と相談し、最適な治療法を選択することが大切です。