脊髄損傷による膀胱過反射の患者の尿動力学的パラメータに対する塩化トロスピウムの影響。多施設共同プラセボ対照二重盲検試験

著者: BauerP, BurgdörferH, GiannettiB M, MürtzG, RichterR, StöhrerM

原題: Effect of trospium chloride on urodynamic parameters in patients with detrusor hyperreflexia due to spinal cord injuries. A multicentre placebo-controlled double-blind trial.

概要

多施設共同プラセボ対照二重盲検試験では、脊髄損傷と膀胱過反射症の61人の患者をトロピウム塩化物（1日2回20 mg）で3週間治療しました。治療群は、最大膀胱容量の有意な改善、最大膀胱圧の低下、コンプライアンスの増加を経験した一方で、プラセボ群は有意な変化を示しませんでした。副作用は非常に少なく、群間で比較可能でした。

論文詳細　

原文の要約 :

In a multicentre placebo-controlled double-blind study 61 patients with spinal cord injuries and detrusor hyperreflexia were treated: 20 mg trospium chloride was given twice daily over a period of 3 weeks. Pre- and posttreatment urodynamic measurements demonstrated large improvements in maximum cyst...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

脊髄損傷による膀胱過反射症患者におけるトロピウム塩化物の尿動力学的パラメータへの影響：多施設共同プラセボ対照二重盲検試験

脊髄損傷による膀胱過反射症は、排尿機能障害を引き起こす疾患です。本研究は、脊髄損傷による膀胱過反射症患者に対するトロピウム塩化物の有効性を評価した多施設共同プラセボ対照二重盲検試験です。トロピウム塩化物は、膀胱の筋肉の収縮を抑制する作用を持つ薬剤です。研究では、61人の脊髄損傷による膀胱過反射症患者を対象に、トロピウム塩化物（1日2回20mg）を3週間投与し、投与前後における尿動力学的パラメータの変化を評価しました。

トロピウム塩化物は膀胱過反射症の改善に有効

研究の結果、トロピウム塩化物を投与した群では、膀胱容量、最大膀胱内圧、コンプライアンスが有意に改善しました。一方、プラセボ群では、これらのパラメータに有意な変化は見られませんでした。この結果は、トロピウム塩化物が脊髄損傷による膀胱過反射症の改善に有効であることを示唆しています。

膀胱過反射症の治療

膀胱過反射症は、排尿の回数が多くなったり、尿意を我慢するのが困難になったりする症状を引き起こします。トロピウム塩化物などの薬剤は、膀胱の筋肉の収縮を抑制することで、これらの症状を改善する効果が期待されています。膀胱過反射症で悩んでいる方は、医師に相談して、適切な治療を受けてください。

ラクダ博士の結論

膀胱過反射症は、砂漠の灼熱のように、排尿を困難にする厄介な病気です。トロピウム塩化物は、砂漠のオアシスのように、膀胱過反射症の症状を改善する効果があるかもしれません。本研究は、トロピウム塩化物が膀胱過反射症の治療に役立つ可能性を示唆しています。膀胱過反射症で悩んでいる方は、医師の指導のもと、適切な治療を受けて、砂漠の旅を快適に過ごしましょう。