ラットにおける、大腸菌リポ多糖がテリトロマイシンの薬物動態に与える影響：CYP3Aを介した代謝の阻害

著者: ChoYu K, JungYoung S, KimYoung C, LeeJoo H, LeeMyung G

原題: Effects of Escherichia coli lipopolysaccharide on telithromycin pharmacokinetics in rats: inhibition of metabolism via CYP3A.

概要

この研究は、炎症の有無にかかわらずラットにおける静脈内および経口投与後のテリトロマイシンの薬物動態パラメータを比較しました。テリトロマイシンの血漿濃度時間曲線下面積0時間から無限大（AUC 0-infinity）は、肝臓および腸での代謝が減少するため、炎症を起こしたラットで有意に大きくなりました。

論文詳細　

原文の要約 :

It has been reported that telithromycin is metabolized primarily via hepatic microsomal cytochrome P450 (CYP) 3A1/2 in rats and that the expression of hepatic and intestinal CYP3A decreases in rats pretreated with Escherichia coli lipopolysaccharide (ECLPS rats; an animal model of inflammation). Thu...掲載元で要旨全文を確認する

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細菌感染が薬の効果に影響を与える？

細菌感染症は、私たちの体にとって厄介な存在です。この研究では、大腸菌の感染が、抗生物質テリトロマイシンの効果に影響を与える可能性があることを示唆しています。テリトロマイシンは、肝臓で分解され、体から排出されます。しかし、大腸菌に感染すると、肝臓の酵素の働きが低下し、テリトロマイシンの分解が遅くなる可能性があります。その結果、テリトロマイシンが体内に長く留まり、効果が強くなる可能性があるのです。

感染症の影響は腸にも及ぶ？

さらに、大腸菌に感染すると、腸でのテリトロマイシンの分解も遅くなる可能性があります。これは、大腸菌の感染が、肝臓だけでなく腸にも影響を与えることを示唆しています。つまり、大腸菌の感染は、抗生物質の体内での動きに影響を与える可能性があり、適切な治療のために、細菌感染症の状況を考慮することが重要になるのです。