レパグリニドとナテグリニドの薬物動態および薬力学に対するSLCO1B1多型の異なる影響

著者: KalliokoskiAnnikka, NeuvonenMikko, NeuvonenPertti J, NiemiMikko

原題: Different effects of SLCO1B1 polymorphism on the pharmacokinetics and pharmacodynamics of repaglinide and nateglinide.

概要

本研究では、健常ボランティアにおけるSLCO1B1遺伝子型がレパグリニドおよびナテグリニドの薬物動態および薬力学に及ぼす影響を調査しました。SLCO1B1 c.521CC遺伝子型を持つ参加者は、c.521TCまたはc.521TT遺伝子型を持つ参加者と比較して、レパグリニドのAUC（0-infinity）が有意に大きくなりました。SLCO1B1多型は、ナテグリニドの薬物動態または薬力学に有意な影響を与えませんでした。

論文詳細　

原文の要約 :

Thirty-two healthy volunteers with different SLCO1B1 genotypes ingested a 0.5-mg dose of repaglinide and 60-mg dose of nateglinide with a washout period of 1 week. Participants with SLCO1B1 c.521CC genotype (n = 4) had a 59% (P = 0.001) or 72% (P < 0.001) greater mean area under the plasma repaglini...掲載元で要旨全文を確認する

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SLCO1B1多型がレパグリニドとナテグリニドの薬物動態と薬力学に及ぼす異なる影響

SLCO1B1遺伝子の多型は、薬物の吸収と代謝に影響を与えることが知られています。本研究では、SLCO1B1遺伝子の多型が、糖尿病治療薬であるレパグリニドとナテグリニドの薬物動態と薬力学にどのように影響するかを調べました。

SLCO1B1多型の影響

異なるSLCO1B1遺伝子型を持つ32人の健康なボランティアに、レパグリニド0.5mgとナテグリニド60mgを投与しました。SLCO1B1 c.521CC遺伝子型を持つ参加者（n=4）は、c.521TC（n=12）またはc.521TT（n=16）遺伝子型を持つ参加者よりも、レパグリニドの血漿中濃度時間曲線下面積（AUC(0-∞)）が59%（P=0.001）または72%（P<0.001）大きくなりました。レパグリニド代謝産物M2とM4のAUC(0-∞)は、c.521CC遺伝子型を持つ参加者では、c.521TT遺伝子型を持つ参加者よりも112%（P=0.004）および81%（P=0.002）大きくなりましたが、M1の薬物動態に差はありませんでした。血糖値の最大減少は、レパグリニドのAUC(0-∞)と相関していました（r=0.412、P=0.019）。SLCO1B1多型は、ナテグリニドまたはその代謝産物M7の薬物動態や薬力学に有意な影響を与えませんでした。このように、レパグリニドとは対照的に、ナテグリニドの分布は、SLCO1B1 c.521T>C多型の影響を受けません。

健康への影響と生活への応用

SLCO1B1遺伝子の多型は、薬物の効果や副作用に影響を与える可能性があります。そのため、医師は、患者さんの遺伝子情報を考慮して、適切な薬剤を選択することが大切です。

ラクダ博士の結論

薬の効き目は、人によって異なるものです。それは、砂漠の砂のように、人それぞれに個性があるからです。本研究は、SLCO1B1遺伝子の多型が、レパグリニドとナテグリニドの薬効に影響を与える可能性を示唆しています。ラクダ博士は、遺伝子情報に基づいた個別化医療が、より効果的で安全な治療につながることを願っています。