カルブテロールとメタプロテレノールの代謝と心血管への影響.

著者: BeeD E, EllisS, GrantJ A, PotterD E, SandersJ P

原題: Metabolic and cardiovascular effects of carbuterol and metaproterenol.

概要

選択的β-アドレナリン作動性気管支拡張薬であるカルブテロールとメタプロテレノールを、8人の喘息患者を対象にプラセボと比較しました。カルブテロール2 mgはほとんど効果がありませんでしたが、4 mgでは、血糖値、インスリン、乳酸、遊離脂肪酸、脈拍数、動脈血圧が上昇しました。メタプロテレノールは、血漿グルコースとインスリンのみを増加させました。カルブテロール2 mgは、高用量またはメタプロテレノールよりも副作用が少なかったです。

論文詳細　

原文の要約 :

Metabolic and cardiovascular responses to selective beta-adrenergic bronchodilators, carbuterol and metaproterenol, were studied during an asymptomatic period in 8 male subjects with bronchial asthma diagnosed as mile to moderate. On separate days each individual received either placebo, carbuterol ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

カルブテロールとメタプロテレノールの代謝および心臓血管への影響

軽度から中等度の気管支喘息と診断された8人の男性被験者を対象に、無症候性期間中に選択的β-アドレナリン作動性気管支拡張薬であるカルブテロールとメタプロテレノールの代謝および心臓血管への影響を調べました。各被験者は別々の日に、プラセボ、カルブテロール2mg、カルブテロール4mg、またはメタプロテレノール20mgを口頭で二重盲検法で投与されました。その後、代謝および心臓血管への影響を5時間定期的に測定しました。

カルブテロール2mgは、3時間と4時間でのグルコースのわずかな上昇を除いて、プラセボと区別できませんでした。カルブテロール4mgは、グルコース、インスリン、乳酸、遊離脂肪酸、および心拍数と動脈性脈圧の有意な上昇を引き起こしました。メタプロテレノールは、血漿グルコースとインスリンの増加のみを引き起こしました。ほとんどの患者は、カルブテロール4mgまたはメタプロテレノール20mgを摂取した後、薬物関連の副作用を報告しましたが、すべて軽度でした。カルブテロール2mgでは、主観的な副作用は少なかった。

カルブテロールは気管支喘息治療に有効な薬

これらの知見は、典型的な喘息患者にカルブテロール2mgを投与しても、有意な主観的または客観的な副作用なしに投与できることを示しています。より高用量 (4mg) では、副作用の頻度が高くなる可能性があります。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、カルブテロールとメタプロテレノールの研究結果を、砂漠の動物の生態に例えて説明します。砂漠の動物は、厳しい環境で生き抜くために、様々な適応能力を獲得しています。カルブテロールは、気管支喘息の患者さんの呼吸を楽にする効果があり、まるで砂漠の動物が厳しい環境に適応しているように、喘息の症状を和らげる効果があると考えられます。ただし、薬の効果は個人差があり、副作用のリスクも存在します。喘息の治療は、医師の指示に従うことが大切です。