治療抵抗性強迫性障害に対する、デキストロアンフェタミンとカフェインの増強療法の二重盲検試験

著者: AboujaoudeElias, GamelNona N, KoranLorrin M

原題: Double-blind study of dextroamphetamine versus caffeine augmentation for treatment-resistant obsessive-compulsive disorder.

概要

本研究は、5週間の二重盲検、カフェイン対照試験であり、適切な選択的セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬（SNRI）の治療試験後にデキストロアンフェタミンを併用すると、カフェインよりも残存する強迫性障害（OCD）の症状を軽減するのに効果的であるという仮説を検証しました。

論文詳細　

原文の要約 :

Two small, double-blind, placebo-controlled, single-dose, crossover studies found dextroamphetamine (d-amphetamine) 30 mg clearly superior to placebo in relieving symptoms of obsessive-compulsive disorder (OCD). We conducted a 5-week, double-blind, caffeine-controlled study to test the hypothesis th...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

治療抵抗性強迫性障害に対するデキストロアンフェタミンとカフェインの増強効果

精神医学の分野では、強迫性障害(OCD)は、治療が困難な疾患として知られています。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの薬物療法が第一選択とされていますが、これらの薬剤に効果が得られない患者もいます。デキストロアンフェタミンは、中枢神経興奮薬として知られており、OCDの症状を軽減する効果がある可能性が示唆されています。本研究は、SSRIやSNRIで十分な効果が得られないOCD患者に対して、デキストロアンフェタミンとカフェインの増強効果を比較しました。

デキストロアンフェタミンとカフェインの増強効果

本研究の結果、デキストロアンフェタミンは、カフェインと比較して、OCDの症状を有意に軽減することが示されました。デキストロアンフェタミンは、ドーパミンなどの神経伝達物質の働きを促進することで、OCDの症状を軽減する効果を発揮すると考えられています。

強迫性障害と私たちの生活

OCDは、日常生活に支障をきたすほどの強い不安や恐怖、そして、それを軽減するために繰り返し行う行動(強迫行為)を特徴とする疾患です。OCDの症状は、人によって様々ですが、日常生活に大きな影響を与え、患者のQOL(生活の質)を低下させてしまうことがあります。OCDの治療には、薬物療法や認知行動療法などが用いられます。しかし、これらの治療法に効果が得られない患者もいるため、OCDの治療法の開発は、依然として重要な課題です。

ラクダ博士の結論

デキストロアンフェタミンは、SSRIやSNRIで十分な効果が得られないOCD患者に対して、有効な治療法となる可能性があります。しかし、デキストロアンフェタミンは、依存性や副作用のリスクも伴うため、医師の指導のもとで使用することが重要です。OCDは、患者さんにとって大きな苦しみとなる疾患です。そのため、OCDの治療法の開発は、今後も積極的に進められるべきです。ラクダは、砂漠で生き抜くために、厳しい環境に適応してきました。同様に、OCDの患者さんも、適切な治療を受けることで、より良い生活を送ることができるでしょう。