早期乳癌の閉経後女性における、長期的な子宮内膜への影響--Intergroup Exemestane Study(IES)における、タモキシフェンを2～3年間継続投与した後、エクゼメスタンとタモキシフェンを継続投与した無randomized対照試験

著者: BertelliG, BlissJ M, CoombesR C, DrosikK, HallE, IrelandE, JassemJ, Karnicka-MlodkowskaH, SnowdonC F

原題: Long-term endometrial effects in postmenopausal women with early breast cancer participating in the Intergroup Exemestane Study (IES)--a randomised controlled trial of exemestane versus continued tamoxifen after 2-3 years tamoxifen.

概要

タモキシフェンは一般的な乳がん治療薬ですが、子宮にエストロゲン様効果をもたらす可能性があります。タモキシフェン後に、これらの効果を減らすために、アロマターゼ阻害剤（AI）がますます使用されています。この研究は、AIがタモキシフェンによって引き起こされる子宮の問題を予防するのに役立つ可能性を示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

The antiestrogen tamoxifen may have partial estrogen-like effects on the postmenopausal uterus. Aromatase inhibitors (AIs) are increasingly used after initial tamoxifen in the adjuvant treatment of postmenopausal early breast cancer due to their mechanism of action: a potential benefit being a reduc...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

更年期女性における乳がん治療と子宮内膜への影響

更年期女性の乳がん治療では、タモキシフェンという薬剤が用いられることが多いのですが、この薬剤は、タモキシフェンは更年期女性の乳がん治療に用いられる薬剤ですが、実はエストロゲンと似た作用を持つため、子宮内膜に影響を与える可能性があります。そこで注目されているのが、アロマターゼ阻害剤という薬剤です。この薬剤は、タモキシフェンよりも子宮内膜への影響が少なく、近年、タモキシフェンによる治療の後に用いられるケースが増えています。本研究は、タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤の比較研究を行い、アロマターゼ阻害剤がタモキシフェンに比べて子宮内膜への影響が小さいことを明らかにしました。更年期女性における乳がん治療において、子宮内膜への影響を最小限に抑えるためには、アロマターゼ阻害剤の使用が有効と考えられます。

アロマターゼ阻害剤は子宮内膜の保護に役立つ可能性

研究結果から、アロマターゼ阻害剤は、タモキシフェンと比較して、子宮内膜異常のリスクが低いことが示されました。つまり、アロマターゼ阻害剤は、更年期女性の乳がん治療において、子宮内膜を保護するのに役立つ可能性があると言えるでしょう。

更年期女性の乳がん治療、子宮内膜への影響を気にしている方は要チェック！

更年期女性の乳がん治療では、タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤のどちらが適しているか、医師と相談して慎重に決める必要があります。子宮内膜への影響を最小限に抑え、安心して治療を受けられるよう、医師とよく話し合い、自分に合った治療法を選択することが大切です。

ラクダ博士の結論

更年期女性の乳がん治療は、子宮内膜への影響という新たな課題を秘めているんですね。タモキシフェンは効果的な薬剤ですが、子宮内膜に影響を与える可能性があることを知っておく必要があります。アロマターゼ阻害剤は、子宮内膜への影響を抑えることができるので、更年期女性の乳がん治療において、より安全な選択肢となる可能性を秘めていると言えるでしょう。砂漠のように広大な知識を深め、更年期女性の健康を守っていきましょう！