過敏性腸症候群に対する心理療法の対照試験

著者: CreedF, DawsonD, GuthrieE, TomensonB

原題: A controlled trial of psychological treatment for the irritable bowel syndrome.

概要

この研究では、過敏性腸症候群（IBS）の患者102人を対象に、心理療法（心理療法、リラクゼーション、標準的な医療治療）と標準的な医療治療のみを比較した。3か月後、心理療法群は、コントロール群と比べて、下痢と腹痛の有意な改善を示したが、便秘にはほとんど変化が見られなかった。精神的な健康上の症状がより明らかで、ストレスによって悪化する痛みの患者は、心理療法の恩恵を受ける可能性が高かった。この研究は、心理療法は、標準的な医療ケアに反応しない多くのIBS患者に有効であると結論付けている。

論文詳細　

原文の要約 :

One hundred two patients with irritable bowel syndrome were studied in a controlled trial of psychological treatment involving psychotherapy, relaxation, and standard medical treatment compared with standard medical treatment alone. Patients were only selected if their symptoms had not improved with...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

過敏性腸症候群に対する心理療法の効果

過敏性腸症候群（IBS）は、原因不明の腹痛や下痢、便秘などが特徴の病気です。本研究は、IBSの症状が標準的な治療法で改善しない患者さんを対象に、心理療法の効果を調べたものです。心理療法は、患者さんの心の状態を改善することで、IBSの症状を緩和させることを目的としています。研究の結果、心理療法はIBSの症状の改善に効果があることが示されました。

研究チームは、IBSの患者さんを2つのグループに分け、片方のグループには心理療法と標準的な治療法を、もう片方のグループには標準的な治療法のみを行いました。その結果、心理療法を受けたグループは、標準的な治療法のみを受けたグループに比べて、腹痛や下痢の症状が有意に改善しました。心理療法の効果は、ストレスによって症状が悪化する患者さんや、精神的な症状を伴っている患者さんで特に顕著に見られました。また、この研究では、心理療法がIBSの症状の改善に効果があるだけでなく、患者さんの生活の質を向上させることにも貢献することがわかりました。

心理療法によるIBSの改善

本研究は、心理療法がIBSの症状の改善に効果があることを示唆しています。IBSは、精神的なストレスが症状に影響を与えることが多いため、心理療法は有効な治療法の一つと考えられます。

健康への影響と生活への応用

IBSは、原因不明の病気のため、症状がなかなか改善しないことが多く、患者さんのQOL（生活の質）を低下させる可能性があります。心理療法は、IBSの症状の改善だけでなく、患者さんの心の状態を改善することで、QOLの向上にも貢献すると考えられています。IBSの症状に悩んでいる方は、医師に相談し、適切な治療を受けてください。

ラクダ博士の結論

IBSは、砂漠のように、原因がはっきりとしない、そして辛くて苦しい病気です。この研究は、砂漠の旅人にとってオアシスのような、IBSの症状を和らげる方法を示しています。心理療法は、心身に良い影響を与え、IBSの症状を改善することが期待されます。ラクダ博士も、砂漠の過酷な環境の中で、心の状態を安定させることが、旅を続けるために大切だと学びました。IBSに悩んでいる方は、心理療法を試してみてはいかがでしょうか？