MALDI-TOF/TOFによる、ヒト血漿中の抗結核薬濃度の測定

著者: AscenziPaolo, BevilacquaNazzario, GullottaFrancesca, LauriaFrancesco Nicola, ManconeCarmine, NotariStefania, PucilloLeopoldo Paolo, SergiManuel, TempestilliMassimo, TripodiMarco, UrsoRocco

原題: Determination of antituberculosis drug concentration in human plasma by MALDI-TOF/TOF.

概要

本研究では、MALDI-TOF/TOF質量分析法を用いて、患者の血漿中の4種類の抗結核薬を測定する方法を開発した。高い回収率（87〜110％）と低い検出限界（0.08〜0.15 pmol/µL）を達成した。

論文詳細　

原文の要約 :

Therapeutic drug monitoring allows to determine the best dosage regimen adapted to each patient optimizing the therapeutic benefits, while minimizing the risk for side effects. Here, the first methodological approach based on matrix-assisted laser desorption/ionization source equipped with tandem ti...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

抗結核薬の血中濃度をMALDI-TOF/TOFで測定する新しい方法

薬物療法モニタリングは、副作用のリスクを最小限に抑えながら、治療効果を最大限に引き出すために、各患者に適した投与量を決定するのに役立ちます。本研究では、結核感染患者の血漿中の抗結核薬であるエタンブトール、ピラジナミド、リファンピシン、ストレプトマイシンの濃度を決定するための、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法（MALDI）とタンデム飛行時間型質量分析計（TOF/TOF）を組み合わせた質量分析法を用いた最初の方法論的アプローチを紹介します。

血漿サンプルの容量は200μLでした。血漿サンプルは、タンパク質沈殿によって精製され、窒素流下で水浴中で蒸発させました。抽出されたサンプルは、200μLの50％メタノール-0.03％ギ酸溶液（v/v）で再構成し、既知量の抗結核薬をスパイクし、飽和マトリックス溶液（50％アセトニトリル-0.1％トリフルオロ酢酸溶液中の4-ヒドロキシ安息香酸; v/v）と混合（1：1）し、MALDI-TOF/TOFサンプルターゲットプレート上にスポットしました。抗結核薬の濃度は、標準添加法によって決定されました。標準添加の回帰は、探索された抗結核薬の濃度範囲全体で直線的でした（最終的な抗結核薬の濃度は0.20〜200pmol/μLの範囲でした）。抗結核薬の絶対回収率は、87〜110％の範囲でした。MALDI-TOF/TOFで検出可能なエタンブトール、ピラジナミド、リファンピシン、ストレプトマイシンの最小濃度は、それぞれ0.08、0.20、0.12、0.15pmol/μLでした。

結核治療の新しい時代！

従来の抗結核薬の血中濃度測定には、時間がかかり、煩雑な手順が必要でした。しかし、本研究で開発されたMALDI-TOF/TOFを用いた新しい方法は、迅速かつ高感度な測定を可能にするため、結核治療の質向上に貢献できる可能性があります。この技術は、砂漠のオアシスのように、結核治療における新たな可能性を開きます。

適切な薬物療法が重要！

結核の治療には、適切な薬物療法が不可欠です。薬物療法の有効性を高めるには、薬剤の血中濃度をモニタリングすることが重要です。本研究で開発されたMALDI-TOF/TOFを用いた新しい方法は、迅速かつ高感度な測定を可能にするため、結核治療の質向上に貢献できる可能性があります。薬物療法は、砂漠の旅の道しるべのように、結核患者さんの回復への道を照らします。

ラクダ博士の結論

結核治療における薬物療法モニタリングは、患者の状態に合わせた最適な治療を行う上で重要な役割を果たします。本研究で開発されたMALDI-TOF/TOFを用いた新しい方法は、迅速かつ高感度な測定を可能にするため、結核治療の質向上に貢献できる可能性があります。この技術は、砂漠の探検隊が新しいオアシスを発見したように、結核治療の新たな可能性を開くでしょう。