オスのC57BL/6Nマウスにおける3つの行動試験に対するフェンベンダゾールの影響

著者: BraytonCory F, DaherJoão P L, DawsonTed M, GadadBharathi S, HutchinsonEric K, PletnikovMikhail V, WatsonJulie

原題: Effect of fenbendazole on three behavioral tests in male C57BL/6N mice.

概要

本研究は、実験用齧歯類の回虫治療に一般的に使用されるフェンベンダゾールがマウスの行動に及ぼす影響を検討した。その結果、フェンベンダゾール治療はオープンフィールドテストや高架式迷路テストに有意な影響を与えないものの、回転棒テストで見られるように、運動能力に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆された。本研究では、フェンベンダゾールで治療したマウスの行動データの解釈には注意が必要であることを推奨している。

論文詳細　

原文の要約 :

Pinworms are highly contagious parasites of laboratory rodents that often are treated with fenbendazole. To our knowledge, the effect of fenbendazole at therapeutic dosages on behavioral tests in mice has not been evaluated. Here we studied 6-wk-old male C57BL/6N mice. We compared the behavior of co...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

フェンベンダゾールのマウス行動への影響

実験動物であるマウスにおける寄生虫駆除薬フェンベンダゾールの影響について研究されています。この薬は、実験用マウスの寄生虫である回虫の駆除に効果的ですが、マウスの行動テストへの影響については、これまで詳細な研究が行われていませんでした。

本研究では、6週間齢の雄性C57BL/6Nマウスを対象に、フェンベンダゾールの投与による行動への影響を調査しました。対照群には通常の食事を与え、3つの実験群には異なる期間のフェンベンダゾールを含む食事を与えました。実験終了後、各群において、オープンフィールドテスト（中心、周辺、垂直方向の活動）、高架式十字迷路テスト（不安）、回転棒テスト（運動能力）を実施しました。その結果、オープンフィールドテストや高架式十字迷路テスト、組織学的検査では、対照群とフェンベンダゾール投与群との間に有意な差は見られませんでした。しかし、回転棒テストでは、フェンベンダゾールを4週間投与した群と、フェンベンダゾールを2週間投与後に通常の食事を2週間投与した群では、対照群に比べて回転棒にとどまっている時間が短くなりました。また、通常の食事を2週間投与後にフェンベンダゾールを2週間投与した群では、回転棒にとどまっている時間が短くなる傾向が見られました。

フェンベンダゾール投与による運動能力への影響

この研究の結果から、オープンフィールドテストや高架式十字迷路テストは、雄性C57BL/6マウスにおいて4週間のフェンベンダゾール投与によって影響を受けにくいと考えられます。しかし、回転棒テストなどの運動能力を評価する行動テストは、フェンベンダゾール投与中および投与後少なくとも2週間は影響を受ける可能性があります。

フェンベンダゾール投与とマウスの行動テスト

フェンベンダゾールは、マウスの運動能力に影響を与える可能性があることが示されました。そのため、マウスを使った研究を行う際には、フェンベンダゾール投与の有無や投与期間を考慮し、適切な行動テストを選択することが重要です。特に、回転棒テストなどの運動能力を評価するテストを行う場合は、フェンベンダゾール投与の影響について注意が必要です。

ラクダ博士の結論

砂漠のラクダは、厳しい環境に適応するために、砂漠の厳しい環境に適応するために、驚くべき体力と持久力を持ち合わせています。今回の研究は、フェンベンダゾールがマウスの運動能力に影響を与える可能性を示唆しています。これは、マウスの行動研究において、薬物の影響を考慮することが重要であることを示しています。砂漠のラクダのように、私たちは、常に変化する環境に適応するために、新しい知識と知恵を常に求め続けなければなりません。