小児強迫性障害における、薬物療法への認知行動療法の増強：小児OCD 治療研究 II（POTS II）ランダム化比較試験

著者: AlmirallDaniel, Choate-SummersMolly, ComptonScott, EdsonAubrey L, FoaEdna B, FranklinMartin E, FreemanJennifer B, GarciaAbbe, KhannaMuniya, MarchJohn S, MoorePhoebe, SapytaJeffrey

原題: Cognitive behavior therapy augmentation of pharmacotherapy in pediatric obsessive-compulsive disorder: the Pediatric OCD Treatment Study II (POTS II) randomized controlled trial.

概要

選択的セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）の使用で部分的な反応を示した強迫性障害（OCD）の子供124人を対象に実施した12週間のランダム化比較試験では、薬物療法に加えて認知行動療法（CBT）を受けた群は、薬物療法のみ（30％）または薬物療法とCBTの指示を受けた群（34％）と比較して、有意に高い反応率（68.6％）を示した。この研究は、SSRI治療に十分に反応していない小児OCD患者に対して、CBTが効果的な増強戦略であることを示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

CONTEXT: The extant literature on the treatment of pediatric obsessive-compulsive disorder (OCD) indicates that partial response to serotonin reuptake inhibitors (SRIs) is the norm and that augmentation with short-term OCD-specific cognitive behavior therapy (CBT) may provide additional benefit. OB...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

小児強迫性障害の治療：薬物療法と認知行動療法の併用

小児強迫性障害（OCD）は、子供たちの日常生活に大きな影響を与える可能性のある精神疾患です。従来、小児OCDの治療には、セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）などの薬物療法が用いられてきましたが、SSRI単独では効果が不十分な場合も多く、OCD特異的な認知行動療法（CBT）との併用が有効であることが示唆されてきました。本研究では、SSRI治療にCBTを併用した効果を調査しました。

小児強迫性障害：CBT併用による治療効果の向上

SSRI治療にCBTを併用したグループは、SSRI単独治療グループや簡略版CBTグループに比べて、症状改善率が有意に高くなりました。この結果は、小児OCDの治療において、SSRI治療にCBTを併用することが有効であることを示しています。CBTは、強迫観念や衝動的な行動に対処するための認知と行動のスキルを子供たちに教えることで、症状の改善を促します。この研究は、小児OCDの治療におけるCBTの重要性を強調しています。

小児強迫性障害：ラクダ博士のアドバイス

小児OCDは、子供たちの日常生活に大きな影響を与える可能性のある精神疾患です。もし、お子様にOCDの症状が見られる場合は、専門の医師に相談し、適切な治療を受けてください。CBTは、小児OCDの症状改善に有効な治療法の一つです。しかし、CBTの効果を発揮するためには、子供たちの年齢や発達段階に合わせた適切なプログラムを選択することが重要です。専門家の指導のもと、適切な治療を受けてください。

ラクダ博士の結論

本研究は、小児OCDの治療において、SSRI治療にCBTを併用することで、症状改善率が有意に高くなることを示しました。これは、小児OCDの治療において、CBTが重要な役割を果たすことを示唆しています。CBTは、子供たちの強迫観念や衝動的な行動に対処するための認知と行動のスキルを教えることで、症状の改善を促します。小児OCDの治療において、適切な治療法を選択し、専門家の指導のもと、子供たちの症状を改善できるようサポートしていくことが大切です。