癌性疼痛の突破痛の治療におけるフェンタニルペクチン鼻スプレーの即時放出モルヒネ硫酸塩錠との有効性と安全性の比較：多施設、無作為化、対照、二重盲検、二重ダミー、複数クロスオーバー試験

著者: , DaviesAndrew, FallonMarie, GalvezRafael, KumarKirushna, LuxA Eberhard, RealeCarlo, StachowiakAndrzej

原題: Efficacy and safety of fentanyl pectin nasal spray compared with immediate-release morphine sulfate tablets in the treatment of breakthrough cancer pain: a multicenter, randomized, controlled, double-blind, double-dummy multiple-crossover study.

概要

フェンタニルペクチン鼻スプレー（FPNS）は、癌性突破痛（BTCP）の治療において有効かつ忍容性が高く、速やかに鎮痛作用を発揮し、即効性モルヒネ硫酸塩（IRMS）よりも臨床的に有意な痛みの軽減（CMPR）が得られた。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Immediate-release morphine sulfate (IRMS) remains the standard treatment for breakthrough cancer pain (BTCP), but its onset of effect does not match the rapid onset and short duration of most BTCP episodes. OBJECTIVE: This study will evaluate the efficacy/tolerability of fentanyl pectin...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

がん性疼痛の突破的治療におけるフェンタニルペクチン鼻スプレー

がん性疼痛の突破的治療において、モルヒネは標準治療薬として用いられていますが、発症時間が短く、効果持続時間が短い突破的疼痛のエピソードには、効果発現の速度が十分ではありません。

本研究では、がん性疼痛の突破的治療におけるフェンタニルペクチン鼻スプレーの有効性と安全性を、即効性モルヒネ硫酸塩錠剤と比較しました。その結果、フェンタニルペクチン鼻スプレーは、即効性モルヒネ硫酸塩錠剤と比較して、疼痛強度を有意に改善し、効果発現も速く、忍容性も良好であることが示されました。

がん性疼痛の突破的治療における選択肢

本研究の結果は、フェンタニルペクチン鼻スプレーが、がん性疼痛の突破的治療における有効な選択肢となりうることを示唆しています。特に、効果発現の速度が求められる突破的疼痛のエピソードに対して、フェンタニルペクチン鼻スプレーは、より効果的であると考えられます。

ラクダ博士の結論

がん性疼痛は、患者さんのQOL（生活の質）を大きく損なう問題です。フェンタニルペクチン鼻スプレーは、がん性疼痛の突破的治療において、患者さんのQOLの改善に役立つ可能性を秘めています。ラクダ博士も、この研究を参考に、砂漠のように広大な知識を駆使して、がん性疼痛の治療法の開発に貢献したいと考えています。