重症原発性高コレステロール血症の治療のための、ロバスタチンとプロブコールの多施設比較。ロバスタチン研究グループIV

著者:

原題: A multicenter comparison of lovastatin and probucol for treatment of severe primary hypercholesterolemia. The Lovastatin Study Group IV.

概要

ロバスタチンは、重症の原発性高コレステロール血症患者において、プロブコールよりも効果的な脂質低下薬であることが判明した。ロバスタチンは、1日2回に分けて投与した場合とほぼ同じ効果を示した。1日1回投与した場合、ロバスタチンは、朝よりも夜に服用した方が効果的であった。

論文詳細　

原文の要約 :

A multicenter study was undertaken to compare the effects of lovastatin (given in 4 different dosage regimens) and probucol in patients with severe primary hypercholesterolemia. The subjects were 290 patients taking lipid-lowering diets who were randomly assigned to 1 of the following treatment regi...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ロバスタチンとプロブコール: 重症の原発性高コレステロール血症の治療

高コレステロール血症は、血液中のコレステロール値が高くなる病気で、動脈硬化や心臓病のリスクを高めます。ロバスタチンとプロブコールは、高コレステロール血症の治療薬として用いられます。この研究では、重症の原発性高コレステロール血症の患者さんを対象に、ロバスタチンとプロブコールの効果を比較しました。

ロバスタチンはプロブコールよりも効果的

研究の結果、ロバスタチンはプロブコールよりも、総コレステロール値とLDLコレステロール値を大幅に低下させる効果があることが明らかになりました。さらに、ロバスタチンは、HDLコレステロール値を上昇させ、トリグリセリド値を低下させる効果もありました。一方で、プロブコールは、HDLコレステロール値を低下させるという、望ましくない効果も認められました。両薬剤は、いずれも副作用は少なく、良好な忍容性を示しました。

ラクダ博士の結論

高コレステロール血症は、砂漠のラクダが砂漠を歩くように、血管を傷つけ、心臓病のリスクを高める病気です。ロバスタチンは、ラクダが砂漠を安全に歩くための道標となる薬と言えるでしょう。一方で、プロブコールは、道標とは少し違う、効果が限定的な薬と言えるでしょう。高コレステロール血症の患者さんは、ラクダのように、安全に砂漠を歩き続けられるよう、適切な治療を受けることが大切です。