小児扁桃摘出術後の直腸内ケタミンと直腸内アセトアミノフェンの予防的鎮痛効果の比較

著者: HashemiS Jalal, HeidariS Morteza, MirlohiS Zahra

原題: Comparison of the preventive analgesic effect of rectal ketamine and rectal acetaminophen after pediatric tonsillectomy.

概要

直腸ケタミンは、扁桃腺切除術を受ける小児にとって効果的で安全な鎮痛薬です。70人の小児を対象とした研究では、直腸ケタミンは手術後最初の数時間に、直腸アセトアミノフェンよりも痛みのスコアが低くなりました。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVES: There is a little data about rectal administration of Ketamine as a postoperative analgesic, so we compared the efficacy of rectal ketamine with rectal acetaminophen, which is applied routinely for analgesia after painful surgeries like tonsillectomy. METHODS: In this single-blinded com...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

子供の手術後の痛み、ラクダ博士が解説！

手術後の痛みは、子供たちにとって辛いものです。特に扁桃腺の手術は、喉の痛みや飲み込むのが大変といった症状で、子供たちは食事も満足に摂れず、なかなか笑顔も見られないことも。そこで注目されているのが、ケタミンという薬なんです。ケタミンは、これまで麻酔薬として使われてきましたが、最近では手術後の痛みの緩和にも効果があることがわかってきました。本研究は、扁桃腺の手術を受けた子供たちに、ケタミンとアセトアミノフェン（痛み止め薬）をそれぞれ投与して、その効果を比較したものです。研究の結果、ケタミンを投与した子供たちは、アセトアミノフェンを投与した子供たちに比べて、手術後の痛みが軽減することが明らかになりました。しかも、ケタミンは副作用も少なく、子供たちにとって安全な薬であることがわかりました。

ケタミンは手術後の痛みを軽減できるのか？

研究では、ケタミンを投与した子供たちのほうが、アセトアミノフェンを投与した子供たちに比べて、手術後15分、60分、1時間、2時間と、一定期間にわたって痛みが少なかったという結果が出ました。これは、ケタミンがアセトアミノフェンよりも効果的に痛みを和らげていることを示唆しています。ただし、24時間後には両グループの間に有意な差は見られませんでした。

ケタミンは子供にとって安全な薬？

ケタミンは、副作用が少なく、子供たちにとって安全な薬であることがわかりました。研究では、ケタミンを投与した子供たちで、幻覚や悪夢といった副作用は報告されませんでした。また、副作用として報告されたのは、血圧の上昇と眼球の振動（眼振）のみでした。眼振は、ケタミン投与群の14.2%にみられましたが、他の副作用は両グループでほぼ同等でした。

ラクダ博士の結論

ケタミンは、扁桃腺の手術を受けた子供たちにとって、副作用が少なく効果的な痛み止め薬であると言えるでしょう。手術後の痛みを和らげることで、子供たちの回復を早め、食事や睡眠もスムーズになることが期待できます。ただし、ケタミンは医師の指示のもとで服用することが重要です。もし、扁桃腺の手術を受ける予定がある場合は、医師にケタミンについて相談してみてくださいね。