論文詳細 
原文の要約 :
It has been well known that 3-O-methyldopa (3-OMD) is a metabolite of L-3,4-dihydroxyphenylalanine (L-DOPA) formed by catechol O-methyltransferase (COMT), and 3-OMD blood level often reaches higher than physiological level in Parkinson's disease (PD) patients receiving long term L-DOPA therapy. Howe...掲載元で要旨全文を確認する
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引用元:
https://doi.org/10.1248/bpb.b110714

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

L-ドーパの代謝産物「3-O-メチルドーパ」は運動機能に影響するか?

パーキンソン病の治療薬として広く用いられているL-ドーパは、体内でカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって代謝され、3-O-メチルドーパ(3-OMD)になります。L-ドーパを長期にわたって服用しているパーキンソン病患者では、血中の3-OMD濃度が生理的なレベルを超えることがよくあります。しかし、3-OMDの生理学的役割については、まだ十分に解明されていません。本研究は、3-OMDがラットの運動機能とドーパミン代謝に与える影響を調べました。研究の結果、3-OMDを反復投与すると、ラットの血中および線条体組織中の3-OMD濃度が上昇し、用量依存的に運動量が減少することが示されました。また、3-OMDの反復投与は、線条体におけるドーパミン濃度に有意な変化は認められませんでしたが、ドーパミン代謝産物である3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、3-メトキシチラミン(3-MT)、ホモバニリル酸(HVA)の濃度が有意に減少しました。3-OMDの投与を中止してから7日間後には、ラットの運動量とドーパミン代謝は正常なレベルに戻りました。さらに、3-OMDの投与によって減少した運動量とドーパミン代謝は、急性L-ドーパ投与によって正常なレベルに戻りました。これらの結果から、3-OMDはドーパミンニューロン系を介して運動機能に影響を与える可能性が示唆されました。

L-ドーパ治療における3-O-メチルドーパの役割

この研究は、3-OMDがラットの運動機能とドーパミン代謝に影響を与える可能性を示唆しています。L-ドーパを長期にわたって服用しているパーキンソン病患者では、血中の3-OMD濃度が上昇するため、3-OMDが運動機能に悪影響を及ぼしている可能性があります。そのため、L-ドーパ治療を行う際には、3-OMDの濃度をモニタリングすることが重要です。また、3-OMDの濃度が上昇した場合には、適切な治療法を検討する必要があります。

パーキンソン病の治療は、薬の代謝にも気を配ることが重要

パーキンソン病の治療では、L-ドーパなどの薬が体内でどのように代謝されるのか、という点にも気を配ることが重要です。3-OMDは、L-ドーパの代謝産物であり、運動機能に影響を与える可能性があります。そのため、医師と相談し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

ラクダ博士の結論

L-ドーパは、砂漠の貴重な水源のように、パーキンソン病患者にとって重要な治療薬です。しかし、L-ドーパの代謝産物である3-OMDが運動機能に影響を与える可能性も示唆されています。L-ドーパ治療を行う際には、3-OMDの濃度をモニタリングし、適切な治療法を選択することが大切です。

日付 :
  1. 登録日 2012-12-21
  2. 改訂日 2019-07-20
詳細情報 :

Pubmed ID

22863920

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.1248/bpb.b110714

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