ラットとマウスにおける蠕動運動効果の薬理学的比較

著者: LarsonK J, MartinR L, PolakowskiJ S, ShaughnessyT K

原題: Pharmacological comparison of peristaltic effects in rats and mice.

概要

本研究では、モルヒネ硫酸塩、プロパンテリン臭化物、およびメトクロプラミド塩酸塩のラットおよびマウスにおける胃腸通過時間への影響を比較した。その結果、3つの化合物すべてが種間で一貫した効果を示し、モルヒネとプロパンテリンは便秘を引き起こし、メトクロプラミドは緩下効果を引き起こした。

論文詳細　

原文の要約 :

Conscious rodent models are commonly used to assess the effects of new chemical entities on propulsion (transit) time in the gastrointestinal system. This study was designed to compare three compounds clinically known to cause constipative (morphine sulfate and propantheline bromide) and laxative (m...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ラットとマウスにおける蠕動運動効果の薬理学的比較

意識のあるげっ歯類モデルは、消化管における推進（通過）時間に対する新しい化学物質の影響を評価するために一般的に使用されます。この研究は、ラットとマウスにおける通過時間に影響を与えることが臨床的に知られている3つの化合物、つまり便秘を引き起こすことが知られているモルヒネ硫酸塩とプロパンテリン臭化物、および緩下剤効果を示すメトクロプラミド塩酸塩を比較し、種間で差があるかどうかを調べることを目的とした。

ラットとマウスにおける蠕動運動への薬物影響の違い

この研究は、ラットとマウスにおける蠕動運動への薬物影響の違いを示しています。具体的には、モルヒネ硫酸塩とプロパンテリン臭化物は、ラットとマウスの両方で通過時間を遅らせることが示されました。一方、メトクロプラミド塩酸塩は、ラットでは通過時間を短縮しましたが、マウスでは有意な影響を与えませんでした。これらの結果は、ラットとマウスの消化管の薬理学的な違いを示唆しています。

薬物による消化管への影響は、動物種によって異なる可能性がある

この研究は、薬物による消化管への影響は、動物種によって異なる可能性があることを示しています。そのため、新しい薬物の開発においては、複数の動物種で実験を行う必要があると考えられます。

ラクダ博士の結論

この研究は、ラットとマウスの消化管における蠕動運動効果の薬理学的比較を行いました。その結果、ラットとマウスでは、薬物による消化管への影響が異なることが明らかになりました。この研究は、薬物の開発において、複数の動物種で実験を行う必要があることを示唆しています。また、この研究は、ヒトの消化管における薬物効果を予測する上で、動物モデルが役立つことを示しています。