鍼麻酔の非特異的な成分を特定する

著者: BaramSara, JensenTroels Staehelin, KaptchukTed J, SchouSøren, SvenssonPeter, TakakuraNobuari, TakayamaMiho, VaseLene, YajimaHiroyoshi, ZachariaeRobert

原題: Specifying the nonspecific components of acupuncture analgesia.

概要

智歯抜歯後の疼痛を訴えた101人を対象とした本研究では、実際のアキュポイントへの鍼治療は疼痛に有意な影響を与えなかったが、鍼治療のプラセボ効果は大きく、時間の経過とともに強くなった。興味深いことに、*実際には*同じ治療を受けていても、*実際に*鍼治療を受けていると信じていた患者は、プラセボを受けていると信じていた患者よりも有意に疼痛が少なかった。これは、患者の治療に対する知覚と期待が、疼痛緩和に対する鍼治療の有効性にとって重要であり、自己強化効果に寄与する可能性があることを示唆している。本研究は、鍼治療の効果を理解する上で、これらの心理的要因を考慮することの重要性を強調している。

論文詳細　

原文の要約 :

It is well known that acupuncture has pain-relieving effects, but the contribution of specific and especially nonspecific factors to acupuncture analgesia is less clear. One hundred one patients who developed pain of ≥ 3 on a visual analog scale (VAS, 0 to 10) after third molar surgery were randomiz...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

鍼治療の非特異的成分を特定する

鍼治療は、砂漠の旅の疲れを癒すオアシスのように、人々の痛みを和らげる効果があるとされていますが、その効果に特異的な要素と非特異的な要素がどのように寄与しているのかは、まだ完全には解明されていません。この研究は、第三大臼歯抜歯後の痛みを経験した101人の患者を対象に、実際に鍼治療を受けた場合、プラセボ鍼治療を受けた場合、そして治療を受けなかった場合の3つのグループに分け、鍼治療の効果を調査しています。研究者は、患者が治療を受けたと認識しているかどうか、そして痛みの程度を評価することで、鍼治療の効果に特異的な要素と非特異的な要素がどのように影響するかを分析しています。

鍼治療の非特異的効果

この研究は、鍼治療の効果に、患者が治療を受けたと認識していること、つまりプラセボ効果が大きく影響していることを示しています。実際に鍼治療を受けたグループとプラセボ鍼治療を受けたグループでは、痛みの軽減に有意な差は見られませんでした。しかし、患者が実際に鍼治療を受けたと思っている場合は、プラセボ鍼治療を受けたと思っている場合よりも、痛みが軽減されていました。これは、鍼治療の効果には、特異的な要素だけでなく、非特異的な要素も大きく影響していることを示唆しています。

鍼治療の有効性

この研究は、鍼治療の効果に、患者の期待や認識が大きく影響していることを示しています。これは、鍼治療を受ける際には、医師や施術者とのコミュニケーションが重要であることを意味しています。ラクダ博士は、患者が鍼治療の効果を最大限に得るためには、施術者との信頼関係を築き、治療に対する期待を持つことが重要であると考えています。

ラクダ博士の結論

この研究は、鍼治療の効果に、患者の期待や認識が大きく影響していることを示しています。ラクダ博士は、鍼治療は砂漠の旅の疲れを癒すオアシスのように、人々の痛みを和らげる効果がありますが、効果を最大限に引き出すためには、患者の期待や認識を考慮することが重要であると考えています。また、ラクダ博士は、鍼治療の効果を科学的に解明するために、今後も研究を進めていく必要があると考えています。