プラセボおよびアミトリプチリン対照による、NK1受容体拮抗薬アプレピタントと擬似定常状態での静脈内アルコール注入の中枢神経系への影響の評価

著者: GarganoCynthia, KlaassenErica S, MajumdarAnup, McCreaJacqueline, MurphyGail, PettyKevin J, SelverianDiana, TatosianDaniel, te BeekErik T, van DyckKristien, van GervenJoop M A

原題: Placebo- and amitriptyline-controlled evaluation of central nervous system effects of the NK1 receptor antagonist aprepitant and intravenous alcohol infusion at pseudo-steady state.

概要

この研究では、NK1受容体拮抗薬アプレピタントとアルコールの相互作用の可能性について調査しました。アプレピタントをアルコールと併用した場合、有意な付加的な中枢神経系への影響は観察されませんでした。これは、2つの薬剤間の臨床的に関連する相互作用がないことを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

Recent interest in NK1 receptor antagonists has focused on a potential role in the treatment of drug addiction and substance abuse. In the present study, the potential for interactions between the NK1 receptor antagonist aprepitant and alcohol, given as an infusion at a target level of 0.65 g/L, was...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

アプレピタントとアルコールの相互作用を調査

薬物依存症や薬物乱用の治療におけるNK1受容体拮抗薬の潜在的な役割に対する関心が近年高まっています。本研究では、NK1受容体拮抗薬であるアプレピタントと、目標濃度0.65 g/Lで静脈内注入されたアルコールとの相互作用の可能性を評価しました。アミトリプチリンを陽性対照として含め、中枢神経系(CNS)作用のプロファイルを把握しました。二重盲検、無作為化、プラセボ対照およびアミトリプチリン対照試験で、アプレピタントとアルコールの薬物動態およびCNS作用を、健康なボランティア16名で調べました。認知機能と運動機能の検査には、視覚言語学習テスト(VVLT)、BondおよびLaderの視覚アナログスケール(VAS)、数字記号置換テスト(DSST)、視覚パターン認識、2択反応時間、臨界融合周波数(CFF)、体動揺、指タップ、適応追跡などが含まれていました。アルコールは指タップと体動揺を阻害しました。アミトリプチリンはDSST成績、VAS覚醒度、CFF、体動揺、指タップ、適応追跡を阻害しました。アプレピタント投与後には、いずれの阻害も見られませんでした。アプレピタントとアルコールの併用は、一般的に良好に忍容され、アルコール単独投与と比較して有意な相加的なCNS作用は認められませんでした。したがって、本研究では、アプレピタントとアルコールの間に臨床的に関連する相互作用の兆候は見られませんでした。

アプレピタントとアルコールの併用は安全？

この研究では、アプレピタントとアルコールの併用は、アルコール単独と比較して有意な追加的なCNS作用を引き起こさなかったことが示されています。これは、アプレピタントがアルコールのCNS効果を増強しないことを示唆しています。つまり、アプレピタントとアルコールを同時に摂取しても、アルコール単独で摂取した場合と比べて、眠気や注意力の低下、反応時間の遅れなどの症状が著しく悪化する可能性は低いと言えるでしょう。

ラクダ博士の結論

この研究は、アプレピタントとアルコールの併用が安全であることを示唆しています。しかし、この研究は小規模であり、さらなる研究が必要となります。アルコールを摂取する際には、アプレピタントなどの薬剤との相互作用について医師に相談することが重要です。ラクダ博士は、薬剤を服用する際には、必ず医師に相談することをお勧めします。特に、アルコールとの相互作用が懸念される場合は、医師に相談するようにしましょう。