経口アリトレチノインによるダーリエ病の治療

著者: HerzingerT, LetuléV, MolinS, RuzickaT

原題: Treatment of Darier disease with oral alitretinoin.

概要

この研究では、顕著な副作用なくアリトレチノインで成功裏に治療された、難治性のダーリエ病（DD）の女性2症例を紹介します。

論文詳細　

原文の要約 :

Darier disease (DD) is an autosomal dominant skin disease. Treatment is often difficult and unsatisfactory because of the chronic nature of the condition and the irritant potential of various therapeutic agents. Systemic vitamin A derivatives such as acitretin and isotretinoin are the treatment of c...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

経口アリトレチノインによるダーリエ病の治療

皮膚病の治療分野では、ダーリエ病のような難治性の皮膚疾患に対する効果的な治療法の開発が求められています。本研究は、アリトレチノインという薬剤が、ダーリエ病の治療に有効である可能性を示唆しています。ダーリエ病は常染色体優性遺伝の皮膚疾患であり、治療はしばしば困難で満足のいく結果が得られないことが多いです。アキトレチンやイソトレチノインなどのビタミンA誘導体は、ダーリエ病の治療薬として第一選択となっていますが、クラス特有の副作用が起こることがあります。アリトレチノイン（9-シスレチノイン酸）は、抗増殖作用と抗炎症作用を有し、いくつかの国で慢性手湿疹の全身治療薬として認可されています。アキトレチンとは異なり、アリトレチノインは、治療終了後1か月間のみ、妊娠可能な女性に避妊を要請する必要があります。アリトレチノインは、様々なレチノイド感受性皮膚疾患の全身治療において、忍容性の高い代替療法となり得るというエビデンスがあります。本研究では、ダーリエ病に対して効果が得られなかった2人の女性患者にアリトレチノインを用いて治療を行った結果、明らかな副作用なく、両方の患者で皮膚病変のほぼ完全な寛解が得られました。

アリトレチノインはダーリエ病の治療に有効である可能性がある

本研究では、アリトレチノインがダーリエ病の治療に有効である可能性を示唆しています。アリトレチノインは、他のレチノイド系薬剤に比べて副作用が少なく、治療期間も短いため、ダーリエ病の治療において新たな選択肢となる可能性があります。

ダーリエ病の治療法

ダーリエ病は、適切な治療を受けないと症状が悪化する可能性があります。治療法としては、レチノイド系薬剤の服用やレーザー治療などが用いられます。治療法は症状や病状によって異なりますので、医師の指示に従って治療を受けてください。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、この研究結果に大変興味を持っています。ダーリエ病のような難治性の皮膚疾患に対して、アリトレチノインが効果を発揮するとは、砂漠の厳しい環境でも、美しい花が咲く可能性があることを示唆しているようですね。しかし、あくまでも可能性であり、個々の患者さんに適応するかどうかは医師の判断が必要です。