ライム病媒介動物であるマダニの基礎的再生数に対する、予測される気候変動の推定影響

著者: DuvvuriVenkata R, LeightonPatrick A, OgdenNicholas H, RadojevicMilka, WuJianhong, WuXiaotian

原題: Estimated effects of projected climate change on the basic reproductive number of the Lyme disease vector Ixodes scapularis.

概要

気候温暖化は、北東部北米におけるライム病の出現に共同で寄与してきた可能性があり、将来は、新しい地理的地域への大幅な病気の蔓延を促進し、ダニ媒介性疾患のリスクを高める可能性がある。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: The extent to which climate change may affect human health by increasing risk from vector-borne diseases has been under considerable debate. OBJECTIVES: We quantified potential effects of future climate change on the basic reproduction number (R0) of the tick vector of Lyme disease, Ixo...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

予測される気候変動がライム病媒介生物であるマダニIxodes scapularisの基本再生産数に及ぼす推定効果

気候変動が媒介動物を介して伝染する病気のリスクを高めることで、人間の健康にどのような影響を与えるかについては、かなりの議論が続いています。本研究では、[ライム病]の媒介生物である[マダニIxodes scapularis]の基本再生産数（R0）に対する将来の気候変動の潜在的な影響を定量化し、ライム病のリスクと、媒介動物を介して伝染する病気全般にとって、その重要性を調べました。

気候変動がライム病媒介生物に及ぼす影響

本研究では、[マダニIxodes scapularis]のR0に対する[気候変動の影響]を評価するために、[北アメリカの観測された気温データ]と、[地域気候モデルを用いて予測された気温]を、マダニの個体群モデルに組み込みました。モデル化されたR0の増加は、重要な生態学的および疫学的要因の変化に関連する病原体および寄生虫のR0範囲（文献レビューから得られた）と比較され、その疫学的意義が評価されました。研究の結果、[1971～2010年の間に、北アメリカのマダニIxodes scapularisのR0が増加し、その空間的および時間的パターンは観測結果と一致しました]。予測される気候変動による気温上昇は、[R0を2～5倍（カナダ）および1.5～2倍（米国）増加]させ、これは、系統、地理的場所、流行、宿主と媒介生物の密度、および防除対策による変動による病原体および寄生虫のR0の観測された範囲に匹敵します。

ラクダ博士の結論

気候変動は、[北東部北アメリカにおけるライム病の発生]に影響を与えている可能性があり、将来は、[新しい地理的地域への病気の蔓延]を促進し、[気候が現在適している地域での媒介動物を介して伝染する病気のリスク]を高める可能性があります。本研究の結果は、[気候変動が媒介生物と媒介動物を介して伝染する病気]に大きな影響を与える可能性があり、これらの影響を理解するための取り組みを再集中する必要があることを強調しています。ラクダ博士も、この研究結果を参考に、砂漠の厳しい環境で生きる人々の健康を維持するために、気候変動の影響を理解し、対策を講じる必要があると考えています。