HIV/エイズ患者における、抗レトロウイルス薬と急性膵炎：関連性はあるか？文献レビュー

著者: ChehterEthel Zimberg, FerreiraFelipe Augusto Yamauti, OliveiraNatalia Mejias, YonamineRaquel Yumi

原題: Antiretroviral drugs and acute pancreatitis in HIV/AIDS patients: is there any association? A literature review.

概要

このレビューでは、HIV 陽性患者における抗レトロウイルス薬と急性膵炎の関係を調べた。ジドブジン、エファビレンツ、プロテアーゼインヒビター、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジンは、急性膵炎を引き起こすことが報告されている。このレビューは、腹痛と膵酵素の上昇を伴う患者では、抗レトロウイルス薬誘発性膵炎を考慮することが重要であることを強調している。

論文詳細　

原文の要約 :

In HIV-seropositive individuals, the incidence of acute pancreatitis may achieve 40% per year, higher than the 2% found in the general population. Since 1996, when combined antiretroviral therapy, known as HAART (highly active antiretroviral therapy), was introduced, a broad spectrum of harmful fact...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

HIV/AIDS患者の急性膵炎と抗レトロウイルス薬の関係性

HIV陽性者における急性膵炎の発生率は、一般集団の2％と比較して、年間40％と非常に高いことが知られています。1996年に、HAART（高活性抗レトロウイルス療法）として知られる、複数の抗レトロウイルス薬を組み合わせた治療が導入されて以来、日和見感染症や化学予防薬など、膵臓に有害な要因の多くが大幅に減少しました。しかし、ヌクレオチドアナログや代謝異常、肝脂肪症、乳酸アシドーシスなどの新しい膵臓に影響を与える可能性のある病態が出現しています。本研究は、HIV/AIDSの治療に用いられる抗レトロウイルス薬が、この集団における急性膵炎の高発生率にどのように関連しているのかを明らかにするために、系統的なレビューを行いました。

抗レトロウイルス薬と膵炎

レビューの結果、ジドブジン、エファビレンツ、プロテアーゼ阻害薬は、高脂血症を介して急性膵炎を引き起こすと考えられています。ヌクレオチド系逆転写酵素阻害薬は、強力なウイルス複製阻害剤ですが、骨髄毒性や急性膵炎など、様々な副作用を引き起こす可能性があります。ジダノシン、ザルシタビン、スタブジンは、急性および慢性膵炎の原因として報告されています。これらの薬剤は累積投与量に依存してリスクが高く、ジダノシンとヒドロキシ尿素、アルコール、ペンタミジンを併用すると、致死的な膵炎のリスクが高まります。さらに、サルファメトキサゾール-トリメトプリムやペンタミジンなどのAIDS関連日和見感染症の予防に用いられる他の薬剤も、壊死性膵炎を引き起こす可能性があります。HIV/AIDS患者では、膵臓への影響につながる合併症が数多く存在しますが、抗レトロウイルス薬誘発性膵炎は、腹痛と膵酵素の上昇を呈する患者の診断において常に考慮する必要があります。

ラクダ博士の結論

砂漠の旅では、ラクダは厳しい環境に耐えながらも、様々な病気に悩まされることがあります。HIV/AIDS患者においても、抗レトロウイルス薬の使用によって、膵炎などの予期せぬ病気が発生する可能性があります。この研究は、HIV/AIDS患者の治療において、抗レトロウイルス薬と膵炎の関係を注意深く見守る必要があることを示唆しています。医療従事者たちは、砂漠の旅を安全に続けるため、患者一人ひとりの状況に応じて適切な治療法を選択することが重要です。