新規診断された肺結核（TB-HAART）のある、HIV陽性の成人のための、高活性抗レトロウイルス療法の早期開始と遅延開始の比較：前向き国際ランダム化プラセボ対照試験

著者: AdatuFrancis, ChandaDuncan M, ConnollyCathy, DoullaBasra, EgwagaSaidi, EzechiOliver, JolobaMoses, KapataNathan, KapotweVincent, KirengaBruce J, KohiWanze, LuwagaHenry, LyantumbaLucinda, MassagaJulius, MfinangaSayoki G, MthiyaneThuli, MutayobaBeatrice, MuwongeCatherine, MwabaPeter, MzyeceJudith, NyakoojoGrace, OnyebujohPhilip, PymAlex, RustomjeeRoxana, SinkalaEdford, VahediMahnaz, YimerGetnet, ZumlaAlimuddin

原題: Early versus delayed initiation of highly active antiretroviral therapy for HIV-positive adults with newly diagnosed pulmonary tuberculosis (TB-HAART): a prospective, international, randomised, placebo-controlled trial.

概要

抗レトロウイルス療法（ART）は、結核を患っているすべてのHIV陽性患者に推奨されていますが、早期開始に関する証拠は限られています。この研究では、CD4カウントの高い患者における、結核治療の転帰に対するART開始時期の影響を調査しています。

論文詳細　

原文の要約 :

WHO guidelines recommend early initiation of antiretroviral therapy (ART) irrespective of CD4 cell count for all patients with tuberculosis who also have HIV, but evidence supporting this approach is poor quality. We assessed the effect of timing of ART initiation on tuberculosis treatment outcomes ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

新規に診断された肺結核（TB-HAART）のあるHIV陽性成人のための早期または遅延開始の非常に効果的な抗レトロウイルス療法

結核とHIVの同時感染は、世界中で深刻な問題となっています。WHOガイドラインでは、結核とHIVの同時感染患者に対しては、CD4細胞数が220細胞/μL以上であっても、早期に抗レトロウイルス療法（ART）を開始することを推奨しています。しかし、この推奨を裏付ける証拠は十分とは言えません。そこで、この研究では、CD4細胞数が220細胞/μL以上のHIV陽性結核患者を対象に、ART開始時期が結核治療成績に及ぼす影響を調査しました。

ART開始時期は、結核治療成績に影響を与えない可能性も

この国際的な無作為化プラセボ対照試験では、ART開始時期が結核治療成績に影響を与えないことが示されました。つまり、CD4細胞数が220細胞/μL以上のHIV陽性結核患者では、ART開始時期は、結核治療成績に影響を与えない可能性があります。この研究結果は、WHOガイドラインの見直しを促す可能性があります。

結核とHIVの同時感染は、早期診断と治療が重要

結核とHIVの同時感染は、早期診断と治療が重要です。早期診断と治療を行うことで、患者さんの予後を改善し、死亡リスクを軽減することができます。また、感染拡大を防ぐためにも、早期診断と治療が不可欠です。

ラクダ博士の結論

結核とHIVの同時感染は、世界中で深刻な問題です。この研究は、ART開始時期が結核治療成績に影響を与えない可能性を示唆しています。しかし、この研究は、CD4細胞数が220細胞/μL以上のHIV陽性結核患者を対象に行われたものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。結核とHIVの同時感染は、早期診断と治療が重要です。