タクロリムスの局所眼用送達のためのプロニオソーム由来のニオソーム：in vitro角膜透過性、眼刺激、およびin vivo抗移植片拒絶反応

著者: GeLi, GeShumin, LiQi, LiZhanrong, LiangDan, LuHaoyang, WuChuanbin, XuYuehong, ZengWeidong

原題: Proniosome-derived niosomes for tacrolimus topical ocular delivery: in vitro cornea permeation, ocular irritation, and in vivo anti-allograft rejection.

概要

本研究では、タクロリムス（FK506）の局所的な眼科送達のためのプロニオソーム由来のニオソームを開発しました。これらのニオソームは、市販の軟膏と比較して、FK506の角膜透過性と滞留性を高め、ラットモデルにおける角膜移植片の拒絶反応を遅らせ、良好な生体適合性を示しました。

論文詳細　

原文の要約 :

The objective of this study was to develop proniosome-derived niosomes for topical ophthalmic delivery of Tacrolimus (FK506). The FK506 loaded proniosomes containing poloxamer 188 and lecithin as surfactants, cholesterol as a stabilizer, and minimal amount of ethanol and trace water reconstituted to...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

目の病気の治療に、新しい薬剤デリバリーシステムが登場！

タクロリムスは、眼科疾患の治療に有効な薬剤ですが、角膜への浸透性が低いため、効果が十分に発揮されない場合があります。そこで、この論文では、タクロリムスを角膜に効率的に届けられる新しい薬剤デリバリーシステムの開発について報告しています。この研究では、タクロリムスをナノ粒子に封入することで、角膜への浸透性を高め、治療効果を高めることを目指しました。

この研究では、タクロリムスを封入したナノ粒子を開発し、その効果を試験管内と生体内で評価しました。試験管内試験では、タクロリムスを封入したナノ粒子は、通常のタクロリムスよりも角膜への浸透性が有意に高くなることが確認されました。生体内試験では、タクロリムスを封入したナノ粒子は、移植された角膜の拒絶反応を抑制する効果を示しました。この研究は、タクロリムスをナノ粒子に封入することで、角膜への浸透性を高め、治療効果を高められる可能性を示唆しています。