軽度または中等度の肝機能障害が、ナロキセゴルの薬物動態、安全性、および忍容性に及ぼす影響

著者: BuiKhanh, SheFahua, SostekMark

原題: The effects of mild or moderate hepatic impairment on the pharmacokinetics, safety, and tolerability of naloxegol.

概要

末梢作用性μ-オピオイド受容体拮抗薬（PAMORA）であるナロキセゴールは、軽度から中等度の肝機能障害のある患者で評価されました。肝機能障害のある患者では、最大血漿濃度（Cmax）は類似しているにもかかわらず、血漿中濃度時間曲線下面積（AUC）が減少しました。

論文詳細　

原文の要約 :

Naloxegol is a peripherally acting µ-opioid receptor antagonist (PAMORA) in development for the treatment of opioid-induced constipation (OIC). The pharmacokinetics of a single oral 25-mg dose of naloxegol in plasma was assessed in patients with mild (Child-Pugh class A) or moderate (Child-Pugh clas...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

肝機能が低下した患者さんへのナロキセゴルの影響

ナロキセゴルは、オピオイドによって起こる便秘の治療薬として開発が進められている薬です。オピオイドは様々な病気の痛みを抑える効果がありますが、便秘という副作用を起こすことがよくあります。ナロキセゴルは、腸にのみ作用し、脳には影響を与えないため、便秘の治療に効果が期待されています。本研究では、肝機能が低下した患者さんへのナロキセゴルの影響を調べました。研究の結果、肝機能が低下した患者さんでは、ナロキセゴルの血中濃度が、健康な人と比べて低くなることがわかりました。しかし、この影響は、ナロキセゴルの効果や安全性に大きな影響を与えるものではありませんでした。

ナロキセゴルの肝臓への影響は限定的

この研究では、肝機能が低下した患者さんでは、ナロキセゴルの血中濃度が低くなることがわかりましたが、この影響は、ナロキセゴルの効果や安全性に大きな影響を与えるものではありませんでした。これは、ナロキセゴルが主に腸で吸収され、肝臓で代謝されるためと考えられます。つまり、肝機能が低下しても、ナロキセゴルは十分な効果を発揮できる可能性があります。

ナロキセゴルの使用に関する注意点

ナロキセゴルは、一般的に安全な薬ですが、肝機能が低下している人や、他の薬を服用している人は、医師に相談の上、使用してください。特に、肝機能が低下している人は、ナロキセゴルの血中濃度が低くなる可能性があるため、医師の指示をよく守って服用してください。

ラクダ博士の結論

ナロキセゴルは、オピオイドによって起こる便秘の治療薬として期待されています。本研究は、肝機能が低下した患者さんでも、ナロキセゴルは安全に使用できることを示唆しています。しかし、肝機能が低下している人は、医師に相談の上、使用してください。ナロキセゴルは、オピオイドによる便秘の治療に役立つ可能性のある薬です。