が、C型肝炎ウイルスの複製を阻害する効果

著者: BenjellounSoumaya, EzzikouriSayeh, InoueKazuaki, KinoYoichiro, KoharaMichinori, MatsumoriAkira, NishimuraTomohiro, Tsukiyama-KoharaKyoko

原題: Inhibitory effects of Pycnogenol® on hepatitis C virus replication.

概要

ピクノジェノールは天然抽出物であり、細胞および動物モデルにおいてC型肝炎ウイルス（HCV）に対する抗ウイルス効果を示した。

論文詳細　

原文の要約 :

Chronic hepatitis C virus (HCV) infection increases the risk of liver cirrhosis and hepatocellular carcinoma. In the last decade, the current standard HCV treatment, pegylated interferon and ribavirin, have limited efficacy and significant side effects. Novel direct acting antivirals show promise, b...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ピクノジェノール®はC型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑えるのか？

本研究は、ピクノジェノール®がC型肝炎ウイルス(HCV)の増殖に及ぼす影響を調べたものです。慢性的なHCV感染は、肝硬変や肝細胞癌のリスクを高めます。過去10年間、現在の標準的なHCV治療であるペグ化インターフェロンとリバビリンは、有効性が限られており、重大な副作用が伴います。新しい直接作用型抗ウイルス薬は有望ですが、脱出変異体が期待されるとともに、潜在的な副作用もあります。ピクノジェノール®は、フランス海岸松の抽出物であり、抗酸化作用と抗ウイルス作用があると報告されています。

ピクノジェノール®の抗ウイルス効果

研究結果によると、ピクノジェノール®は、細胞毒性なしに、50μg/mLまでの用量で抗ウイルス効果を示しました。ピクノジェノール®は、インターフェロン-αまたはリバビリンとの併用で相乗効果を示しました。さらに、ピクノジェノール®は、テラプレビル(VX-950)耐性レプリコン細胞においてHCVの増殖を抑制しました。テラプレビルとピクノジェノール®は、野生型HCVレプリコン細胞において、細胞毒性を有意に増加させることなく、HCV RNAレベルを減少させるために相加的に作用しました。ピクノジェノール®の抗ウイルス活性は、その成分であるプロシアニジンやタキシフォリンよりも高くなりました。さらに、感染したキメラマウスへのピクノジェノール®の投与は、HCVの増殖を抑制し、インターフェロン-αとの相乗効果を示しました。さらに、ピクノジェノール®の投与は、HCVレプリコン細胞株における活性酸素種の用量依存的な減少をもたらしました。ピクノジェノール®は、天然物であり、現在の標準的な抗ウイルス薬の有効性を向上させ、さらには耐性HCV変異体を排除するために使用できる可能性があります。

ピクノジェノール®の新たな可能性

ピクノジェノール®は、C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑制する効果を示す天然物です。HCVの治療薬として、さらなる研究が進められることが期待されます。

ラクダ博士の結論

砂漠には、様々な薬効を持つ植物が生息しています。ピクノジェノール®は、フランス海岸松から抽出された天然物で、C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑える効果があると考えられています。ラクダ博士も、砂漠の植物の力を借りて、様々な病気を克服してきた歴史があります。この研究は、ピクノジェノール®が、HCVの治療薬として活用できる可能性を示しており、ラクダ博士も、今後の研究に期待しています。