レセルピン誘発筋痛ラットにおける、インデロキサジンの(+)-異性体であるAS1069562とデュロキセチンの、セロトニン輸送体占有率と鎮痛効果の関係

著者: AokiT, FushikiH, HondaS, IrieM, IwashitaA, MuraiN, MurakamiY, NagakuraY, TamuraS

原題: Relationship between serotonin transporter occupancies and analgesic effects of AS1069562, the (+)-isomer of indeloxazine, and duloxetine in reserpine-induced myalgia rats.

概要

この研究では、リセルピン誘発筋痛（RIM）ラット（線維筋痛症の動物モデル）における、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬（SNRI）であるAS1069562およびデュロキセチンの鎮痛効果とセロトニントランスポーター（SERT）占有率の関係を調査しました。AS1069562およびデュロキセチンは、筋痛に鎮痛効果を示し、SERT占有率が70％を超えると、効果を発揮するために重要でした。これらの知見は、SERT占有率が、線維筋痛症患者の痛み治療におけるこれらの薬剤の適切な鎮痛用量を決定するための貴重なツールであることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

Serotonin (5-HT) and norepinephrine (NE) have been implicated in the mediation of endogenous analgesic mechanisms via the descending inhibitory pain pathway in the brain, and dysfunction in both the 5-HT and NE systems has been suggested as an etiology of fibromyalgia (FM). Given that 5-HT reuptake ...掲載元で要旨全文を確認する

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セロトニントランスポーター占有率と鎮痛効果の関係

うつ病などの治療薬として知られるセロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害薬（SNRI）は、慢性的な痛みを伴う線維筋痛症の治療にも有効であると考えられています。しかし、どの程度の薬剤量で鎮痛効果が得られるのか、具体的なメカニズムはよくわかっていませんでした。本研究では、SNRIであるAS1069562とデュロキセチンが、セロトニントランスポーター（SERT）の占有率と鎮痛効果の関係について、線維筋痛症モデルラットを用いて調査しました。その結果、SERTの占有率が70％を超えると、AS1069562とデュロキセチンは有意な鎮痛効果を示すことがわかりました。この発見は、線維筋痛症の治療において、SERTの占有率を指標とすることで、適切な薬剤量を決定できる可能性を示唆しています。

SERT占有率と鎮痛効果の相関関係

研究では、AS1069562とデュロキセチンの投与量と血漿および脳内濃度に応じて、SERT占有率が上昇することが確認されました。さらに、SERT占有率と線維筋痛症モデルラットの筋肉痛の閾値との間に有意な相関関係が認められました。これらの結果は、SNRIの鎮痛効果が、SERTの占有率と密接に関連していることを示しています。

線維筋痛症の治療への応用

本研究の結果は、線維筋痛症の治療において、SERTの占有率を指標とすることで、適切な薬剤量を決定できる可能性を示唆しています。つまり、SERTの占有率を70％以上に維持することで、より効果的な鎮痛効果が得られると考えられます。これは、線維筋痛症の患者にとって、より効果的で安全な治療法の実現に貢献する可能性があります。

ラクダ博士の結論

砂漠のラクダにとって、水分補給は生き延びるために不可欠です。同様に、線維筋痛症の患者にとって、痛みを和らげることは生活の質を高めるために不可欠です。この研究は、セロトニントランスポーターの占有率を指標にすることで、線維筋痛症の痛みをより効果的にコントロールできる可能性を示唆しています。ラクダ博士は、この研究が、線維筋痛症の患者が、砂漠のラクダのように、痛みという渇きに苦しむことなく、快適な生活を送れるようになるための道しるべとなることを願っています。