CKD患者の対照物質誘発性腎症予防のための、重炭酸塩または生理食塩水の無作為化試験

著者: , AbbottJ Dawn, DauermanHarold L, GordonPaul, JeremiasAllen, KereiakesDean J, KimMichael, ManoukianSteven V, SolomonRichard

原題: Randomized Trial of Bicarbonate or Saline Study for the Prevention of Contrast-Induced Nephropathy in Patients with CKD.

概要

eGFR<45ml/min/1.73m(2)の患者391人を対象とした、選択的冠動脈造影または末梢血管造影を受ける患者を対象とした前向き二重盲検多施設共同無作為化臨床試験では、高用量重炭酸ナトリウム輸液は、塩化ナトリウムと比較して、死亡、透析、eGFRの持続的な6か月間の低下、または造影剤誘発性急性腎障害（CIAKI）の発生率に差が見られなかった。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND AND OBJECTIVES: Sodium bicarbonate has been proposed for protection of the kidney from contrast-induced AKI (CIAKI). However, the effects of bicarbonate on long-term important clinical outcomes are uncertain. DESIGN, SETTING, PARTICIPANTS, & MEASUREMENTS: In a prospective, double-blind, ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

慢性腎臓病患者における造影剤腎症予防のための重炭酸塩または生理食塩水のランダム化試験

慢性腎臓病（CKD）患者さんは、造影剤を使用した検査を受ける際に、造影剤腎症（CIAKI）と呼ばれる腎臓の障害を起こすリスクがあります。CIAKIは、CKD患者さんの予後を悪化させる可能性があるため、その予防が重要です。

本研究は、CKD患者さんにおけるCIAKIの予防に、重炭酸塩が効果的なのかどうかを調査したものです。研究者は、CKD患者さんを対象に、重炭酸塩または生理食塩水をランダムに投与し、その効果を比較しました。その結果、重炭酸塩は、生理食塩水と比べて、CIAKIの発生率を抑制する効果は認められませんでした。

重炭酸塩は、造影剤腎症（CIAKI）の予防効果がない可能性

この研究は、重炭酸塩は、CKD患者さんにおけるCIAKIの予防効果がない可能性を示唆しています。

造影剤腎症（CIAKI）の予防には、他の方法も検討する必要があります

CKD患者さんは、造影剤を使用する検査を受ける前に、医師に相談し、CIAKIの予防について相談することが重要です。

ラクダ博士の結論

砂漠のラクダは、厳しい環境の中でも、体内の水分を効率的に利用することで、生き抜いてきました。重炭酸塩は、体内の水分バランスを調整する効果があると考えられていますが、この研究では、CIAKIの予防効果は認められませんでした。CKD患者さんは、造影剤を使用する際には、医師と相談の上、適切な予防策を検討することが大切です。