短報：泌乳牛の乳房乾燥時にカベルゴリンを投与した影響：乳房の充血、乳漏、および横臥行動

著者: ArisA, BachA, De-PradoA

原題: Short communication: The effects of cabergoline administration at dry-off of lactating cows on udder engorgement, milk leakages, and lying behavior.

概要

5.6mgのカベルゴリンを乾燥時に単回注射すると、ホルスタイン種の牛におけるプロラクチンの分泌を効果的に抑制した。その結果、乳房の膨満が減少し（乳汁漏出の発生率が73.5％減少）、乾燥後の数日間は横になる時間が増加した。

論文詳細　

原文の要約 :

Cabergoline is an ergot derivative with high affinity for the D2 dopamine receptors whose dopaminergic effects cause inhibition of prolactin (PRL) secretion; thus, it could be considered a molecule that acts as a potential dry-off facilitator. One hundred ninety-nine Holstein cows (102 primiparous; ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

カベルゴリンが乳牛の泌乳期における乳房充満を軽減する効果

乳牛の泌乳期における乳房充満は、乳牛の健康と福利に悪影響を及ぼす可能性があります。本研究では、カベルゴリンという薬物が乳房充満を軽減する効果を調べるため、泌乳期の終わりにカベルゴリンを投与した乳牛とプラセボを投与した乳牛を比較しました。その結果、カベルゴリンを投与した乳牛は、プラセボを投与した乳牛と比較して、乳房充満、乳漏出、および横臥時間が有意に改善することがわかりました。この発見は、乳牛の泌乳期の管理におけるカベルゴリンの有効性を示唆しています。

カベルゴリンはプロラクチン分泌を抑制し、乳房充満を軽減

カベルゴリンは、プロラクチンというホルモンの分泌を抑制する効果があります。プロラクチンは乳房充満に大きく関与しており、カベルゴリンによってプロラクチン分泌が抑制されると乳房充満が軽減されると考えられています。本研究では、カベルゴリンを投与した乳牛の血中プロラクチン濃度が有意に低下しており、この結果が乳房充満の軽減につながっていると考えられます。

乳牛の健康と福利の向上に貢献する可能性

乳房充満は、乳牛の健康状態を悪化させ、乳漏出を引き起こす可能性があります。また、乳房充満によって乳牛は快適に過ごすことができず、ストレスを抱えやすくなってしまうため、牛乳の生産量にも悪影響が及ぶ可能性があります。カベルゴリンは、乳房充満を軽減することで、乳牛の健康と福利の向上に貢献する可能性があります。

ラクダ博士の結論

カベルゴリンは、ラクダが厳しい砂漠環境に適応しているように、乳牛が泌乳期の終わりに快適に過ごすことができるようにサポートする可能性を秘めています。カベルゴリンは、乳牛の健康と福利の向上に役立つだけでなく、牛乳の生産量を増やすことにもつながるかもしれません。しかし、カベルゴリンの使用は、動物の個体差や健康状態によって慎重に検討する必要があります。