論文詳細 
原文の要約 :
OBJECTIVES: To prospectively evaluate the efficacy of silodosin, a new α1A -adrenoceptor selective antagonist, for the treatment of lower urinary tract symptoms suggestive of benign prostatic hyperplasia (LUTS/BPH) on the basis of a frequency/volume chart. METHODS: Forty male patients (71.1 ± 6.6 y...掲載元で要旨全文を確認する
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* 解説の内容は Health Journal が独自に解釈・作成したものであり、原論文の著者または出版社の見解を反映するものではありません。


引用元:
https://doi.org/10.1111/j.1757-5672.2010.00059.x

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

良性前立腺肥大症患者における下部尿路症状に対するシロドシンの効果

良性前立腺肥大症(BPH)は、男性に多くみられる泌尿器疾患です。BPHは、排尿困難、頻尿、夜間頻尿など、下部尿路症状(LUTS)を引き起こします。本研究は、α1A-アドレナリン受容体選択的拮抗薬であるシロドシンが、BPH患者のLUTSに対する効果を検討したものです。

研究者は、LUTS/BPHの診断を受けた40人の男性患者(平均年齢71.1±6.6歳)を対象に、シロドシン(1日2回4mg)を投与しました。投与前後における国際前立腺症状スコア(IPSS)、尿流量測定、頻度/容量チャートの変化によって、薬剤の効果を評価しました。

シロドシンはBPH患者の排尿症状を改善する可能性

その結果、シロドシン投与開始後1か月と3か月で、IPSSの合計スコア、貯蔵および排尿スコアの合計スコア、生活の質スコアが有意に低下しました(すべてP<0.01)。平均尿流量と最大尿流量は有意に増加し、残尿量は有意に減少しました(すべてP<0.05)。頻度/容量チャートの結果、1か月後に1日8回以上排尿していた患者(n=12)の昼間頻度が有意に減少(P=0.0391)しました。3か月後に1日2回以上排尿していた患者(n=16)の夜間頻度は、減少傾向を示しました(P=0.0833)。1か月後に250mL未満排尿していた患者(n=31)の平均排尿量は有意に増加しました(P=0.0446およびP=0.0138)。また、1か月後に300mL未満排尿していた患者(n=18)の最大排尿量は、増加傾向を示しました(P=0.0833)。

シロドシンは、膀胱の容量を増やし、排尿症状を改善する可能性

これらの結果から、シロドシンは、膀胱の容量を増やすことで、貯蔵症状と排尿症状の両方に効果があると考えられます。

ラクダ博士の結論

この研究は、シロドシンがBPH患者の排尿症状を改善する可能性を示唆しています。砂漠のラクダは、水が少ない環境でも、効率的に水分を摂取し、膀胱の容量を調整することで、長時間の移動を可能にしています。私たち人間も、BPHなどの泌尿器疾患によって、排尿が困難になることがあります。シロドシンは、膀胱の容量を増やし、排尿をスムーズにすることで、患者さんのQOL(生活の質)の向上に役立つ可能性があります。

日付 :
  1. 登録日 2015-12-18
  2. 改訂日 2015-12-17
詳細情報 :

Pubmed ID

26676217

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.1111/j.1757-5672.2010.00059.x

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