論文詳細 
原文の要約 :
B7.1/2-targeted costimulation blockade (CTLA4 immunoglobulin [CTLA4-Ig]) is available for immunosuppression after kidney transplantation, but its potentially detrimental impact on regulatory T cells (Tregs) is of concern. We investigated the effects of CTLA4-Ig monotherapy in a fully mismatched hear...掲載元で要旨全文を確認する
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引用元:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27184870

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

免疫抑制効果と制御性T細胞の関係

臓器移植後の免疫抑制には、CTLA4免疫グロブリン(CTLA4-Ig)が用いられています。しかし、CTLA4-Igは制御性T細胞(Treg)に悪影響を及ぼす可能性が懸念されています。この研究では、完全にミスマッチな心臓移植モデル(BALB/cからC57BL/6へ)を用いて、CTLA4-Ig単独療法の効果を調べました。

CTLA4-Igは、臨床使用と同様の用量で、マウスに慢性的に投与されました(0、4、14、28日目、その後4週間ごとに)。CTLA4-Ig療法の効果は用量依存性であり、低用量群では移植片生存期間が延長し、高用量群と超高用量群では95%以上の長期移植片生存と組織学的保存が認められました。CTLA4-Igの効果は、約3か月後の治療中止後に拒絶反応が起こったことから、免疫寛容ではなく、免疫抑制であることが明らかになりました。

ナイーブマウスでは、CTLA4-Igの用量に関係なく、FoxP3陽性Tregが同様の程度まで減少しましたが、心臓移植を受けたマウスでは、CTLA4-Ig慢性療法により正常値に回復しました。Treg枯渇(抗CD25)は、低用量療法では移植片生存率を悪化させましたが、高用量療法では検出可能な影響はありませんでした。これらの結果から、低用量CTLA4-Ig療法の免疫抑制効果は、Tregが除去されると損なわれるのに対し、高用量CTLA4-Ig単独療法は、Tregに依存せず、移植片生存率を効果的に維持することが示されました。

Tregは移植片の運命を決める鍵を握る

この研究では、CTLA4-Igの免疫抑制効果は、用量に依存してTregに影響を与えることが示されました。低用量では、Tregの減少が移植片生存率の低下につながりますが、高用量では、Tregの減少が移植片生存率に影響を与えないことが明らかになりました。つまり、CTLA4-Igは、Tregを介して免疫抑制効果を発揮しますが、高用量ではTregに依存しない別のメカニズムも存在する可能性があります。

臓器移植と免疫抑制

この研究は、臓器移植における免疫抑制剤の作用機序と、Tregの重要性を明らかにしました。今後、Tregを標的とした新しい治療法の開発や、既存の免疫抑制剤の投与戦略の最適化が期待されます。

ラクダ博士の結論

この研究は、砂漠のオアシスのように、臓器移植の研究に新しい光を投げかけました。CTLA4-Igの免疫抑制効果は、Tregという重要なオアシスに大きく依存していることがわかりました。しかし、高用量では別のルートで移植片を守ることができるようです。この研究は、砂漠の探検のように、臓器移植の世界を深く理解するための重要な一歩と言えるでしょう。

日付 :
  1. 登録日 2018-02-14
  2. 改訂日 2023-01-24
詳細情報 :

Pubmed ID

27184870

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

S1600-6135(22)00684-0

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