健常な成人におけるmRNA狂犬病ワクチンの安全性と免疫原性：オープンラベル、非ランダム化、前向き、ヒト初投与第1相臨床試験

著者: AlbererMartin, BackertLinus, BicaMihai Alexandru, ClemensRalf, FinakGreg, Fotin-MleczekMariola, GarofanoAurelio, Gnad-VogtUlrike, GottardoRaphael, HoerrIngmar, HongHenoch Sangjoon, KochSven Dominik, MehrKeyvan Tadjalli, von SonnenburgFrank

原題: Safety and immunogenicity of a mRNA rabies vaccine in healthy adults: an open-label, non-randomised, prospective, first-in-human phase 1 clinical trial.

概要

このヒトにおける最初の概念実証臨床試験では、狂犬病ウイルス糖タンパク質（CV7201）をコードする予防的mRNAベースのワクチンの安全性と免疫原性を調査した。このワクチンは、針なしデバイスで投与した場合、ウイルス抗原に対する機能的抗体を誘導したが、針とシリンジで注射した場合には誘導されなかった。このワクチンは、一般的に忍容性プロファイルが良好で、安全性が確認された。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Vaccines based on mRNA coding for antigens have been shown to be safe and immunogenic in preclinical models. We aimed to report results of the first-in-human proof-of-concept clinical trial in healthy adults of a prophylactic mRNA-based vaccine encoding rabies virus glycoprotein (CV7201)...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

mRNAワクチンによる狂犬病予防の可能性

ワクチン開発の分野では、mRNAワクチンが安全かつ効果的に免疫応答を誘導できることが期待されています。本研究は、mRNAを用いて狂犬病ウイルス糖タンパク質をコードしたワクチン(CV7201)のヒトへの安全性と免疫原性を評価した最初の臨床試験の結果を報告しています。

研究では、健常なボランティアにCV7201を皮内または筋肉内投与しました。その結果、皮内投与では針を使わないデバイスを用いた場合に、針注射よりも高い免疫原性を示したことがわかりました。また、CV7201は一般的に安全で、許容性の高いワクチンであることが示されました。

針を使わないデバイスによるmRNAワクチン投与の重要性

本研究の結果は、針を使わないデバイスを用いたmRNAワクチンの皮内投与が、狂犬病に対する効果的な免疫応答を誘導する可能性を示しています。この技術は、既存の注射針を用いた投与方法に比べて、より安全で、患者にとってより快適な方法であると考えられています。

狂犬病予防のための新たな選択肢

狂犬病は、動物から人への感染によって起こる致命的な病気です。そのため、効果的な予防手段の開発が急務となっています。本研究の結果は、mRNAワクチンが狂犬病に対する安全で効果的な予防手段となる可能性を示唆しており、今後の研究開発に期待が寄せられます。

ラクダ博士の結論

mRNAワクチンの開発は、まるで砂漠のオアシスを発見したようなものです。この技術は、従来のワクチンに比べてより安全で効果的な予防手段となる可能性を秘めています。特に針を使わないデバイスを用いた投与は、患者にとって負担が少なく、より広く普及する可能性を秘めています。今後の研究開発によって、mRNAワクチンは、狂犬病をはじめとする様々な感染症の予防に役立つと期待されます。