[低用量制酸剤ゲルとシメチジンによる胃潰瘍の治療。多施設共同二重盲検試験].

著者: BrökerH J, CasparyW, DomschkeW, FeurleG, FimmelC J, HackenbergK, HammerB, HoltermüllerK H, HotzJ, PaceF

原題: [Therapy of stomach ulcer with low-dose antacid gel and cimetidine. A multicenter double-blind study].

概要

低用量制酸剤ゲルとシメチジンは、いずれも患者の胃潰瘍の治療に有効でした。8週間後、制酸剤ゲルの治癒率は76％、シメチジンの治癒率は89％でした。どちらの治療もよく耐容されましたが、シメチジンでは下痢がより多く見られました。

論文詳細　

原文の要約 :

In a multi-centre double-blind (double-dummy) trial the effectiveness of low-dose antacid gel (6 X 12 ml/d; neutralisation capacity 120 mmol) was compared with that of a standard dose of cimetidine (1 g/d) in the curative treatment of gastric ulcer. Antacid gel was given to 65 patients, cimetidine t...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

低用量制酸剤ゲルとシメチジンの胃潰瘍治療：多施設二重盲検試験

多施設二重盲検（二重ダミー）試験において、低用量制酸剤ゲル（6 X 12 ml/日；中和能力120 mmol）の有効性を、標準用量のシメチジン（1 g/日）と比較して、胃潰瘍の治癒的治療における有効性を比較しました。制酸剤ゲルを65人の患者に、シメチジンを60人の患者に投与しました。診断は内視鏡生検によって確認され、内視鏡生検は連続的なフォローアップにも用いられました。4週間後、制酸剤ゲルとシメチジンはそれぞれ43％と52％で治癒をもたらしました。8週間後、それぞれ76％と89％で治癒をもたらし、2つの方法間の差は統計的に有意ではありませんでした。潰瘍の痛みについても、統計的に有意な差はありませんでした。制酸剤群とシメチジン群でそれぞれ1例ずつ、副作用のために治療を中止する必要がありました。下痢は、制酸剤ゲルよりもシメチジンでより多く見られました。低用量制酸剤ゲルとシメチジンはどちらも、胃潰瘍の治療に適しているという結論に至りました。

制酸剤は胃潰瘍の治療に有効

本研究は、低用量制酸剤ゲルが、標準用量のシメチジンと同等の効果を持つことを示しています。制酸剤は、胃酸の中和作用によって胃潰瘍の症状を緩和し、治癒を促進すると考えられています。

胃潰瘍の治療

胃潰瘍は、ストレスや不規則な食生活、喫煙、アルコール摂取などが原因で起こることがあります。胃潰瘍の治療には、制酸剤やH2受容体拮抗薬などの薬物療法、内視鏡治療、手術療法などが用いられます。胃潰瘍の症状が続く場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

ラクダ博士の結論

砂漠のラクダは、過酷な環境の中でも、胃酸を効率的に利用して食物を消化しています。しかし、胃潰瘍はラクダにとっても脅威です。本研究は、制酸剤が胃潰瘍の治療に有効であることを示しており、ラクダのように、胃の健康を維持することが重要です。胃潰瘍の症状が続く場合は、早めに医師の診察を受けましょう。ラクダのように、逞しく生きていきましょう！