ブランは過敏性腸症候群に有効か？二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験

著者: ClarkM L, DawsonA M, LowndesJ, LuceyM R

原題: Is bran efficacious in irritable bowel syndrome? A double blind placebo controlled crossover study.

概要

この研究は、28人の患者を対象に、過敏性腸症候群の治療におけるふすまの効果を調査した。患者は、無作為に、ふすまビスケットまたはプラセボビスケットを3か月間受け取り、その後、別の治療に切り替えてさらに3か月間受け取った。どちらの群も、最初の3か月後に改善を示したが、群間に有意な差はなかった。さらに、治療を交換しても、追加の改善は見られなかった。この研究では、便の重量の増加とは関連していなかったこともわかった。この研究は、過敏性腸症候群、特に腹痛に対するふすまの有益な効果は、プラセボ効果によるものである可能性が高いと結論付けている。

論文詳細　

原文の要約 :

Twenty eight patients with classical irritable bowel syndrome completed a double blind placebo controlled crossover trial in which they added to their normal diet a daily supplement of either 12 bran biscuits (1 = 1.3 g fibre) or 12 placebo biscuits (1 = 0.23 g fibre). Each biscuit was given for thr...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

腸の不調、実はプラセボ効果が効く？

過敏性腸症候群（IBS）は、腹痛や便秘、下痢などの症状が特徴の病気です。IBSの治療には、食事療法が有効と考えられていますが、その効果については、まだはっきりしていません。本研究では、IBSの患者さんを対象に、食物繊維を多く含むブラン（小麦の外皮）の効果を調べました。

研究チームは、IBSの患者さん28人を対象に、3ヶ月間、ブランを摂取するグループと、プラセボ（偽薬）を摂取するグループに分け、症状の変化を観察しました。その結果、ブランを摂取したグループも、プラセボを摂取したグループも、症状が改善することがわかりました。しかし、ブランを摂取したグループとプラセボを摂取したグループの間には、症状の改善に差はありませんでした。

IBSの症状の改善効果は、ブランの効果ではなく、プラセボ効果である可能性が高い

本研究は、IBSの症状の改善効果は、ブランの効果ではなく、プラセボ効果である可能性が高いことを示唆しています。つまり、IBSの症状は、何か特別なものを摂取したという気持ちによって改善する可能性があります。

IBSの症状を改善するために

IBSの症状を改善するためには、ストレスをためないように心がけ、規則正しい生活を送ることが大切です。また、医師の指導のもと、適切な食事療法や運動療法を行うようにしましょう。

ラクダ博士の結論

砂漠を旅するラクダは、厳しい環境の中で、様々な植物を食べて生き延びています。IBSの治療には、食事療法が有効と考えられていますが、今回の研究は、食事療法の効果が、必ずしもブランなどの特定の食品によるものではない可能性を示しています。IBSに悩んでいる人は、医師に相談し、自分に合った治療法を見つけるようにしましょう。