ラクトコッカス・ラクティスワクチンを、マウスに経口免疫した際の、免疫応答の分析

著者: JiangNan, LiXiang, LiuMei Chen, LuoBo, SunJun Chao, ZhangYue, ZhouBi Ying

原題: Analysis of Immune Responses in Mice Orally Immunized with Recombinant pMG36e-SP-TSOL18/Lactococcus lactis and pMG36e-TSOL18/Lactococcus lactis Vaccines of Taenia solium.

概要

嚢虫症は、*Taenia solium*（*T. solium*）の幼虫に感染する人獣共通寄生虫病である。嚢虫症の治療薬には、ある程度の毒性と副作用がある。本研究では、*Lactococcus lactis*（*L. lactis*）をベクターとして使用して*T. solium*の保護抗原をデリバリーする、嚢虫症に対する新しいワクチンの開発について検討した。その結果、組換えpMG36e-SP-TSOL18/*L. lactis*およびpMG36e-TSOL18/*L. lactis*ワクチンは、経口ワクチン接種によりマウスにおいて特異的な細胞性、体液性、および粘膜免疫応答を誘導できることが示された。

論文詳細　

原文の要約 :

Cysticercosis is a cosmopolitan zoonotic parasitic disease infected by larval of Taenia solium (T. solium). Several drugs for the treatment of cysticercosis, such as praziquantel, albendazole, and mebendazole, have certain toxicity and side effects. Considering that there is no vaccine...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

新しい回虫症ワクチンの開発

回虫症は、寄生虫であるTaenia soliumの幼虫によって引き起こされる病気です。現在の治療薬には、プラジクアンテル、アルベンダゾール、メベンダゾールなどがありますが、これらの薬剤は毒性や副作用があることが懸念されています。そのため、回虫症の予防には、効果的なワクチンが求められています。本研究では、回虫症に対する新しいワクチンの開発を目指し、Lactococcus lactisをベクターとして用いた遺伝子組み換えワクチンの有効性をマウスで検証しました。

マウスでの実験結果が示唆するもの

マウスに遺伝子組み換えLactococcus lactisワクチンを口から投与した結果、特異的な抗体やサイトカインの産生が確認されました。このことは、遺伝子組み換えLactococcus lactisワクチンが、回虫症に対する免疫応答を誘導する可能性を示唆しています。

回虫症予防の新たな可能性

本研究は、Lactococcus lactisをベクターとして用いた新しい回虫症ワクチンの開発の可能性を示唆しています。今後の研究では、ヒトに対する有効性や安全性などを検証する必要がありますが、回虫症の予防に新たな光を灯す成果と言えるでしょう。

ラクダ博士の結論

回虫症に対する新しいワクチンの開発は、世界中の多くの人々にとって朗報です。Lactococcus lactisは、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に含まれる乳酸菌の一種で、人体への安全性が高いことが知られています。この研究は、Lactococcus lactisが回虫症に対するワクチンの開発に役立つ可能性を示しました。この研究が、将来的に回虫症の撲滅につながることを期待しています。