オピオイド誘発性便秘と慢性非癌性疼痛を伴う日本人患者における、ナルデメジン: オープンラベル第III相試験

著者: AraiMasatsugu, SaitoYoji, SumitaniMasahiko, TadaYukio, YokotaTakaaki

原題: Naldemedine in Japanese patients with opioid-induced constipation and chronic noncancer pain: open-label Phase III studies.

概要

2つのオープンラベル、単一アーム、第III相試験では、慢性非がん性疼痛のために定期的にオピオイドを使用するか、徐放性オキシコドンを長期使用している日本のオピオイド誘発性便秘（OIC）患者における、末梢作用型μオピオイド受容体拮抗薬であるナルデメジンの安全性と有効性を評価しました。

論文詳細　

原文の要約 :

Naldemedine is a peripherally-acting µ-opioid-receptor antagonist, approved in Japan for opioid-induced constipation (OIC). In two open-label, single-arm, Phase III studies, we evaluated the safety and efficacy of naldemedine in Japanese patients with OIC receiving regular-use opioids (COMPOSE-6) or...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

オピオイド誘発性便秘の新たな治療戦略

オピオイド誘発性便秘（OIC）は、慢性的な痛みを治療するためにオピオイドを使用している患者によく見られる症状です。この研究では、ナルデメジンという新しい薬剤が、OICの治療に有効かどうかを調査しました。ナルデメジンは、オピオイドの副作用である便秘だけを抑制する、末梢性μオピオイド受容体拮抗薬です。

ナルデメジンによる便秘改善効果と安全性

研究の結果、ナルデメジンはOICの治療に有効であり、安全性も高いことが明らかになりました。この薬剤は、オピオイドの副作用である便秘だけを抑制するため、オピオイドによる痛み治療の効果を維持したまま、便秘の症状を改善することができます。

オピオイド使用者のQOL向上への期待

OICは、患者の生活の質を大きく低下させる可能性があります。ナルデメジンは、OICの治療に有効であることが示され、オピオイドを使用している患者のQOL向上に貢献する可能性があります。この薬剤は、オピオイドによる痛み治療を諦めずに、快適な生活を送れるようにする新たな選択肢と言えるでしょう。

ラクダ博士の結論

砂漠の旅では、ラクダがスムーズに砂丘を移動するためには、体内の水分バランスが重要です。同様に、オピオイドを使用する患者さんにとって、便秘の解消は、快適な生活を送る上で欠かせません。この研究は、ナルデメジンが、砂漠をスムーズに旅するラクダのように、オピオイド使用者の生活をより快適にする可能性を示唆しています。