ブリガチニブ：非小細胞肺癌のための、新規のALK阻害薬

著者: Di PasquaAnthony J, MatthewAdia, RileyAngela C, SpencerSara A

原題: Brigatinib: Novel ALK Inhibitor for Non-Small-Cell Lung Cancer.

概要

ブリガチニブは、クリゾチニブで治療を受けている間に進行した、またはクリゾチニブに耐えられないALK陽性非小細胞肺癌（NSCLC）患者の治療薬として承認されています。最初の7日間は1日1回90mgを服用し、その後耐容性が認められれば180mgに増量します。一般的な副作用には、悪心、疲労、下痢、クレアチンホスホキナーゼ値の上昇、頭痛、呼吸困難、高血圧などがあります。深刻な副作用は主に肺に関連します。ブリガチニブはクリゾチニブ抵抗性変異を克服し、中枢神経系への浸透性を高めることが実証されています。しかし、この薬は重大な副作用を引き起こす可能性があるため、使用は慎重に検討する必要があります。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: We review here the pharmacology, pharmacokinetics, efficacy, safety, dosage and administration, potential drug-drug interactions and place in therapy of brigatinib for abnormal anaplastic lymphoma kinase (ALK) specific non-small-cell lung cancer (NSCLC). DATA SOURCES: A literature search...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ALK陽性非小細胞肺がんに対する新薬ブリガтиниブ

ALK陽性非小細胞肺がんは、特殊な遺伝子変異を持つ肺がんの一種です。従来の治療薬であるクリゾチニブは、ALK陽性非小細胞肺がんに効果を示すことが知られていますが、残念ながら、クリゾチニブに効かなくなってしまう患者さんもいます。この研究では、クリゾチニブに効かなくなったALK陽性非小細胞肺がんに対して、新しい治療薬であるブリガтиниブの有効性を調べました。ブリガтиниブは、クリゾチニブに抵抗性を示す変異に対しても効果を示すことが期待されています。

ブリガтиниブの有効性と安全性

ブリガтиниブは、クリゾチニブに効かなくなったALK陽性非小細胞肺がん患者さんの生存期間を延ばす効果が期待されています。しかし、ブリガтиниブは、副作用が出やすいという特徴もあります。ブリガтиниブの主な副作用には、吐き気、疲労、下痢、筋肉の痛み、頭痛、息切れ、高血圧などがあります。ブリガтиниブの服用を始める際には、これらの副作用について、医師に相談するようにしましょう。