α-ジフルオロメチルオルニチンとメチル-GAGの第I相試験

著者: RomijnJ C, SplinterT A

原題: Phase I study of alpha-difluoromethylornithine and methyl-GAG.

概要

DFMOとMGBGの併用は、血小板減少症、白血球減少症、呼吸困難、溶血、黄疸など、用量制限毒性を示しました。DFMOを8週間連続して投与すると、患者の70％で聴覚障害が起こり、これは可逆的でした。最も忍容性の高いレジメンは、DFMOを21日間連続して投与し、MGBGを7日目、14日目、21日目に24時間点滴で投与し、42日目に繰り返すものでした。

論文詳細　

原文の要約 :

alpha-Difluoromethylornithine (DFMO) is a potent inhibitor of the synthesis of putrescine (pu) and spermidine (sd) in some benign and malignant tissues. Intracellular deprivation of pu and sd has been shown to induce an enhanced uptake of polyamine-analogs such as methyl-GAG (MGBG). The purpose of t...掲載元で要旨全文を確認する

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α-ジフルオロメチルオルニチンとメチル-GAGの第I相試験

α-ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)は、いくつかの良性腫瘍および悪性腫瘍組織において、プトレシン(pu)とスペルミジン(sd)の合成を強力に阻害する薬剤です。細胞内におけるpuとsdの枯渇は、メチル-GAG(MGBG)などのポリアミンアナログの取り込みを促進することが示されています。本研究の目的は、DFMOとMGBGの併用療法の忍容性と毒性を調査することでした。

DFMOとMGBGの併用療法の毒性

36人の患者に、DFMOを1日4回2gを経口投与し、14日目から2週間ごとにMGBGを250-500mg/m2を2時間かけて点滴静注しました。MGBGの単独投与による既知の急性および遅発性の副作用に加えて、用量制限毒性には、血小板減少症、白血球減少症、呼吸困難、溶血、黄疸などが含まれていました。1コースのMGBGの最大耐用量は350mg/m2、累積毒性のために、反復コースでは250mg/m2でした。さらに、DFMOを連続投与して8週間後、患者の70%が重度の難聴を経験しました。難聴は、DFMOの投与を4～6週間中止すると回復しました。難聴のためDFMOを連続投与することが不可能であったため、2つの異なるDFMO間欠投与スケジュールと2つの異なるMGBG点滴期間を15人の患者で調査しました。これらの患者のいずれにも難聴は発生しませんでした。DFMOを1日4回2gを経口投与し、7日目、14日目、21日目にMGBGを250mg/m2を24時間かけて点滴静注し、42日目に繰り返すという連続投与スケジュールが最もよく忍容されました。評価可能な28人の患者中、2人の部分奏効が認められました。DFMOによる前処理は、MGBGの毒性を有意に増強し、両薬剤の併用療法は、いずれかの薬剤単独では見られない副作用を生じました。

DFMOとMGBG併用療法の課題

DFMOとMGBGの併用療法は、有効な治療法となる可能性を秘めていますが、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。特に難聴は、DFMOを連続投与した場合に発生する可能性があるため、注意が必要です。砂漠の旅では、ラクダは適切な水場を選ぶように、治療においても、適切な薬剤を選択することが重要です。DFMOとMGBGの併用療法は、効果的な治療法となる可能性を秘めていますが、注意深く使用する必要があります。